最新記事

「プロフェッショナル度」をアップさせる魔法の英単語

非英語圏のEnglish

シンプルになった世界共通語と
「通じる英語力」の磨き方

2010.11.22

ニューストピックス

「プロフェッショナル度」をアップさせる魔法の英単語

鍵となる単語を効果的に差し挟むだけでコミュニケーションの質を劇的に変えられる

2010年11月22日(月)10時00分
ウィリアム・A・ヴァンス(エール大学経営大学院コミュニケーションセンターディレクター)

 人を感動させるスピーチやプレゼンテーションには多くのスキルと準備が求められるが、最も簡単な一歩は「スーパーパワー英単語」を効果的に使うことだ。スーパーパワー英単語とは、まるで絵を描くように聞き手の頭にビジュアルイメージを想起させられる単語のこと。プレゼンテーションをするときも英文メールを書くときも、ノンネイティブが使いがちな平凡な表現をこうした単語に置き換えるだけで「プロフェッショナル度」が高まり、より効果的なコミュニケーションが可能になる。オバマ大統領や有能なビジネス・プロフェショナルの発言にもよく登場するスーパーパワー英単語の効果を下の例で見てみよう。

■problem→hurdle

We're facing a new hurdle on this project.
(私たちはこのプロジェクトで新たな問題に直面している)

 あるプロジェクトについて話し合う会合の場でproblem(問題)という表現を使った場合、その問題のせいでプロジェクトがストップするかもしれないというニュアンスが示唆される。だがこれをhurdle(障害物)に置き換えるだけで、ハードル競技の走者が跳び越えるイメージが想起され、目の前にある問題はスキルと努力によって必ず乗り越えられるというポジティブな姿勢を伝えられる。

■opinion→view

In my view, the economy will begin to recover next year.
(私の見解では、景気は来年回復し始めると思います)

 自分の意見を述べるときin my opinionを多用していないか? opinion(意見)には過度に個人的で相手と対立するニュアンスが含まれることがあり、聞き手との間にバリアーを生むリスクがある。何かをある特定の位置から眺めているイメージがあるviewという表現を選ぶことによって、自分の経験や目的、知識に基づいた見解であり、他人の意見と異なる可能性があることも認識しているという印象を与えられる。

■disturb→derail(妨げる、計画を狂わせる)

I got derailed by several phone calls this afternoon.
(今日の午後は電話が何本もあり、予定が狂ってしまった)

 有能なビジネスプロフェッショナルは物事が前進するイメージを好むため、progress(進歩)やmove forward(前進する)を多用する。また、ある出来事によって事態の進展が妨げられたときは、列車の脱線を意味するderail(妨げる、計画を狂わせる)を使うといい。脱線した列車がいずれ復旧するように、事態の進展が一時的には中断しているものの、最終的なゴールは忘れていないというメッセージを伝えられる。

■plan→strategy

We explained our strategy for selling to Chinese companies.
(私たちは中国企業に売り込むための戦略を説明した)

 plan(計画)を持つのは悪くないが、strategy(戦略)のほうがより洗練度が高い。strategyには入念に準備し、複数の選択肢をバランスよく検討し、想定できる結果を比較し、長期的なゴールを想定しているというニュアンスがある。marketing planを持つ企業が毎期、自転車操業で苦しんでいるように聞こえるのに対し、marketing strategyを持つ企業は顧客と競合相手を熟知し、勝機をうかがっているように聞こえる。

■cause→catalyst

The lower price was the catalyst for increased sales.
(低価格が販売増加の要因になった)

 何かの原因を説明するときには、科学用語のcatalyst(触媒、促進剤)を使ってみよう。理科の実験中に、液体に少量の「触媒」を加えることで劇的な変化が生じた経験があるのでは? catalystを選ぶことで、ある行動や決定事項がより大きな状況にどう影響したかという因果関係を力強く描写できる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国主席、APEC首脳会議で多国間貿易保護訴え 日

ビジネス

米国株式市場・序盤=ナスダック1.5%高、アップル

ビジネス

利下げでFRB信認揺らぐ恐れ、インフレリスク残存=

ビジネス

ECB、金利変更の選択肢残すべき リスクに対応=仏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 7
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 8
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中