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安倍首相の苦しい言い逃れ「募っているが、募集はしていない」から見えること
野党や多くのメディアは、まさにその罠にハマってしまい、自分たちとしては首相への追及を強めたつもりが、批判が空回りする事態に陥っています。
そうではなく、安倍首相のこの発言に対しては「首相は、募るという表現で、事務所の募集行動は非公式だと認定しておられるわけですね。地元の事務所が独走しているだけで官邸は関知していなかった、あるいは地元が募ってその名簿を推薦してきても自動的に招待することはない、つまり総理や官邸として事前に承知した上での正式な募集ではなかったとおっしゃるわけですね」と追及するべきでした。
これに対しては、安倍首相は「ノー」とは言えません。そうなったら「では、そうではなくて、事前に首相周辺なり官邸から、山口の地元の安倍事務所との間で参加者を『募る』相談がされたという証拠が出たら、それはまさに総理の言われる『募集』があったということになりますから、首相としては重大な政治責任が問われる、という理解でよろしいのでしょうか?」と攻め立てることができます。
そうした基本的な切り返しができず、「募ると募集は字が同じ」などと極めて平凡な反応しかできなかった野党には、何とも情けない感じがします。その一方で、竹下節にも似た「言語明瞭・意味不明瞭」というテクニックを使わざるを得なくなった安倍首相にも、政権が末期に差し掛かった雰囲気を感じざるを得ません。