最新記事
パレスチナ

子供たちの「心と体を破壊」...イスラエルによるガザへの「支援妨害」と攻撃に、WHO幹部が批判

2025年5月2日(金)13時17分
ガザへの支援中断と攻撃をWHO幹部が批判

5月1日、世界保健機関(WHO)で緊急事態対応部門を統括するマイケル・ライアン氏は、パレスチナ自治区ガザへの2カ月にわたる支援中断と新たな攻撃により、子どもたちの心と体が破壊されていると訴えた。ガザで2月7日撮影(2025年 ロイター/Ibraheem Abu Mustafa)

世界保健機関(WHO)で緊急事態対応部門を統括するマイケル・ライアン氏は1日、パレスチナ自治区ガザへの2カ月にわたる支援中断と新たな攻撃により、子どもたちの心と体が破壊されていると訴えた。

イスラエルは3月2日以来、ガザへの医薬品、燃料、食料の供給を阻止。この決定について、停戦合意が行き詰まる中、イスラム組織ハマスに人質解放を迫るよう圧力をかけるためと釈明している。

ライアン氏はWHO本部で記者団に対し、「われわれはガザの子どもたちの心と体を破壊し、彼らを飢えさせていることに加担している」と発言。「医師として憤慨している。これは忌まわしい事態だ」と訴えた。

さらに、現状の栄養失調レベルでは免疫力が壊滅状態にあると述べ、女性と子どもの肺炎や髄膜炎が増加する恐れがあると警告した。

イスラエルは先に、ガザが食料危機に直面しているとの見方を否定。支援再開の時期や方法を明らかにしていない。

同国軍はハマスが支援物資を横流ししていると非難、ハマスは否定している。

国連は今週、ガザの子どもたちの急性栄養失調がさらに悪化していると警告した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版 関税の歴史学
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月27日号(5月20日発売)は「関税の歴史学」特集。アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応――歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


テクノロジー
「誰もが虜になる」爽快体験...次世代エアモビリティが起こす「空の移動革命」の無限の可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

マスク氏、「年中無休」で仕事を再開と表明 Xの障害

ビジネス

アングル:米輸入企業、「保税倉庫」確保に奔走 トラ

ワールド

ロシア、捕虜交換完了後に和平案を提示する用意=外相

ワールド

トランプ氏、日鉄のUSスチール買収承認の意向 「計
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:関税の歴史学
特集:関税の歴史学
2025年5月27日号(5/20発売)

アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応。歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非礼すぎる」行為の映像...「誰だって怒る」と批判の声
  • 2
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンランドがトランプに浴びせた「冷や水」
  • 3
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友情」のかたちとは?
  • 4
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 5
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 6
    【クイズ】PCやスマホに不可欠...「リチウム」の埋蔵…
  • 7
    備蓄米を放出しても「コメの値段は下がらない」 国内…
  • 8
    空と海から「挟み撃ち」の瞬間...ウクライナが黒海の…
  • 9
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワ…
  • 10
    トランプは日本を簡単な交渉相手だと思っているが...…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドローン母船」の残念な欠点
  • 3
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界の生産量の70%以上を占める国はどこ?
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国…
  • 7
    「空腹」こそが「未来の医療」になる時代へ...「ファ…
  • 8
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 9
    人間に近い汎用人工知能(AGI)で中国は米国を既に抜…
  • 10
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中