プレスリリース

「復活草」「茉莉花」「時計草」に夜間に高まる肌の回復を促す効果を発見

2024年04月18日(木)11時00分
ノエビアグループは、夜間に高まる肌の回復力と肌の体内時計との関連性について研究を重ねてきました。その結果、「復活草(フッカツソウ)」がヒアルロン酸とエラスチンを増加させることにより肌の生まれ変わりを促すことを見出しました。さらに「茉莉花(マツリカ)」と「時計草(トケイソウ)」が、老化により減少するメラトニンの合成酵素と受容体を回復させることを発見しました。これらの成分には、老化によって乱れた肌の体内時計を整え、夜間に高まる肌の回復を促進する効果が期待されます。この研究成果の一部は、2024年3月28日から31日にかけて開催された「日本薬学会第144年会」で発表されました。


【研究背景】
~夜間に高まる肌の回復力と肌の体内時計との関連性に着目~
紫外線の影響を受ける日中は"肌のバリア機能"が高まる一方で、夜間は"日中に受けたダメージの回復"が活発になります。また、睡眠や体温など生体機能の多くは約1日周期でリズムを刻んでおり、時計遺伝子が体内時計としてそのリズムを調節しています。時計遺伝子は肌にも存在し、理想的なリズムに導くためには、睡眠ホルモンとして知られるメラトニンが不可欠です。さらに、近年の研究で、メラトニンは脳だけでなく肌においても合成されていることが分かってきました。そこで、ノエビアグループでは、夜間に高まる肌の回復力とメラトニンにより調節される肌の体内時計との関連性に着目した研究に取り組みました。


【研究成果】
1. 「復活草」に肌の回復を高める効果があることを発見
真皮に存在するヒアルロン酸やエラスチンは、肌の回復に重要な役割を果たしています。真皮線維芽細胞を用いて肌の回復力を高める有用な植物を探索したところ、「復活草」(の一種である植物)の抽出物は肌の回復に重要なヒアルロン酸やエラスチンを増やし、肌の生まれ変わりを高める効果が高いことが明らかになりました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/390826/LL_img_390826_1.jpg
ヒアルロン酸の量/エラスチンの量/細胞が生まれ変わる力

復活草(ハベルレアロドペンシス)
学名:Haberlea rhodopensis
科名:イワタバコ科
属名:ハベルレア属
極度の乾燥状態でも生き続けることができ、水を与えると復活する復活草の一種。ブルガリアのロドピ山脈付近に見られる固有種で、古代から残存する希少な植物。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/390826/LL_img_390826_2.jpg
復活草(ハベルレアロドペンシス)

2. 老化することで体内時計が乱れ、肌が回復される夜の時間が短くなることを発見
老化によって肌の体内時計に変化が生じるかを明らかにするため、夜に発現が増加することが知られている時計遺伝子BMAL1と昼に発現が増加することが知られている時計遺伝子PER1の発現変化を、真皮線維芽細胞を用いて解析しました。老化により時計遺伝子BMAL1・PER1の振幅が小さくなったことから、時計遺伝子のはたらきが弱まったことを確認しました。また、周期解析分析によって、老化することで夜の時計遺伝子BMAL1は周期が短く、昼の時計遺伝子PER1は周期が長くなっていることが明らかになりました。これにより、真皮線維芽細胞が老化することで体内時計が乱れ、肌が回復される夜の時間が短くなることが示唆されました。

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/390826/LL_img_390826_3.jpg
夜の時計遺伝子BMAL1/昼の時計遺伝子PER1
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/390826/LL_img_390826_4.jpg
皮膚細胞の老化誘導による時計遺伝子の変化

3. 本来夜に増加するメラトニン合成酵素と受容体が、老化することで減少することを発見
老化による体内時計の乱れの原因として、身体に夜が来たことを伝える「メラトニン」に着目しました。昼に発現が増加する時計遺伝子PER1と夜に発現が増加する時計遺伝子BMAL1の発現量を時間の指標として、メラトニン関連遺伝子の発現量が時間や肌の老化によってどのように変化するか解析しました。正常細胞では、メラトニン合成酵素および受容体はともに夜に発現量が増加することが確認されました。一方、老化細胞では、夜にみられるメラトニン合成酵素および受容体の発現増加が抑制されていることが明らかになりました。

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/390826/LL_img_390826_5.jpg
メラトニン合成酵素の変化/メラトニン受容体の変化

4. 「茉莉花」と「時計草」が夜にメラトニン関連遺伝子を増やすことを発見
研究成果3と同様の時間の指標を用いて、肌の老化に対する「茉莉花」と「時計草」の効果を調べました。老化誘導した真皮繊維芽細胞に「茉莉花」 の抽出物を添加するとメラトニン合成酵素および受容体が夜に増加すること、「時計草」の抽出物を添加するとメラトニン合成酵素が夜に増加することを見出しました。

画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/390826/LL_img_390826_6.jpg
メラトニン合成酵素の変化(茉莉花)/メラトニン受容体の変化(茉莉花)/メラトニン合成酵素の変化(時計草)

茉莉花(マツリカ)
学名:Jasminum sambac
科名:モクセイ科
属名:ソケイ属
夜になると白い花を咲かせるジャスミンの一種。
香りの良さから香料やお茶としても用いられる。

時計草(クダモノトケイソウ)
学名:Passiflora edulis
科名:トケイソウ科
属名:トケイソウ属
花が時計のように見える「時計草」の一種。
果皮にはGABAが多く含まれる。

画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/390826/LL_img_390826_7.jpg
茉莉花(マツリカ)/時計草(クダモノトケイソウ)

【今後の展開】
「復活草」は、夜間に高まる肌の生まれ変わりを促し、「茉莉花」と「時計草」は、老化によって乱れた肌の体内時計を整え、肌の回復をさらに高める効果が期待できます。この研究成果は今後の基礎化粧品の開発に応用されます。
ノエビアグループは、企業ポリシー「自然を科学する」のもと、創業以来培ってきた独自の植物研究と最先端テクノロジーの融合による高機能化粧品の提供を通して、化粧品がもたらす人々のQOL向上を目指してまいります。

<ノエビアのこだわり>
https://www.noevir.co.jp/about/


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:トランプ氏なら強制送還急拡大か、AI技術

ビジネス

アングル:ノンアル市場で「金メダル」、コロナビール

ビジネス

為替に関する既存のコミットメントを再確認=G20で

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型ハイテク株に買い戻し 利下
MAGAZINE
特集:トランプ暗殺未遂
特集:トランプ暗殺未遂
2024年7月30日号(7/23発売)

前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理由【勉強法】
  • 2
    BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム販売が失速、株価半落の大手事務所も
  • 3
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子どもの楽しい遊びアイデア5選
  • 4
    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…
  • 5
    地球上の点で発生したCO2が、束になり成長して気象に…
  • 6
    カマラ・ハリスがトランプにとって手ごわい敵である5…
  • 7
    トランプ再選で円高は進むか?
  • 8
    拡散中のハリス副大統領「ぎこちないスピーチ映像」…
  • 9
    中国の「オーバーツーリズム」は桁違い...「万里の長…
  • 10
    「轟く爆音」と立ち上る黒煙...ロシア大規模製油所に…
  • 1
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラニアにキス「避けられる」瞬間 直前には手を取り合う姿も
  • 2
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを入れてしまった母親の後悔 「息子は毎晩お風呂で...」
  • 3
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」、今も生きている可能性
  • 4
    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…
  • 5
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理…
  • 6
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子…
  • 7
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 8
    「失った戦車は3000台超」ロシアの戦車枯渇、旧ソ連…
  • 9
    「宇宙で最もひどい場所」はここ
  • 10
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った猛烈な「森林火災」の炎...逃げ惑う兵士たちの映像
  • 3
    ウクライナ水上ドローン、ロシア国内の「黒海艦隊」基地に突撃...猛烈な「迎撃」受ける緊迫「海戦」映像
  • 4
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 5
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラ…
  • 6
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 7
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 8
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 9
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 10
    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中