プレスリリース

<分析結果>~科学的介護情報システム(LIFE)を使った老人ホームのリハビリ実施率~ 有料老人ホーム等の僅か9% 自立型、高額ホームに集中

2022年08月04日(木)09時30分
株式会社TRデータテクノロジー(本社:東京都中央区、代表取締役:田中 幹雄、以下 当社)は、2021年度介護報酬改定から制度化された科学的介護情報システム(LIFE)について、導入から1年を経た利用実態を調べるために、約5千ヶ所の有料老人ホーム等(※)で提供されるリハビリの分析を行いました。その結果、LIFEの活用が算定要件となる個別機能訓練加算IIの算定率は全体で僅か9%という少ない結果でした。

(※介護付有料老人ホーム、特定施設を取得したサービス付き高齢者向け住宅)

なお、当社では全国の介護施設及び居宅サービスを含む約24万件におよぶ介護データを販売しており、2022年8月1日には最新の2022年度版をリリースしています。


1) 科学的介護情報システム(LIFE)について
介護情報の電子化(利用者・サービスの情報等)を図り、科学的なエビデンスに基づいたサービス提供やPDCAサイクルを推進することで、より効果的な自立支援や重度化予防を目的とした取り組みです。

2) 個別機能訓練加算の算定状況
有料老人ホーム等では、理学療法士等の専従スタッフがリハビリを提供すると、個別機能訓練加算が算定できます。今回調査では、有料老人ホーム等の32%が本加算を算定していましたが、従来の申請方法(加算I)が圧倒的に多く、LIFEの活用が算定要件となる加算IIへ移行するホームは約3割、全体では9%の算定率に留まりました(図1)。
また、加算IIを算定したホームの定員ランキングでは、社会福祉法人聖隷福祉事業団を筆頭に自立向けのホームが上位に並び、介護型では業界大手の株式会社ツクイが2位となっています。その他、前払い方式を採用する高額ホームの運営事業者が多い点が特長です。


●個別機能訓練加算の算定状況
図1:加算算定率 n=4,984

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/320533/LL_img_320533_1.jpg
図1:個別機能訓練加算の算定率

表1:個別機能訓練加算IIの加算ホーム 定員ランキング

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/320533/LL_img_320533_2.jpg
表1:個別機能訓練加算IIの加算ホーム 定員ランキング

※図1の「算定なし」には不明データ含む。2021年度の改正前の加算情報しか入手できないホームは「個別機能訓練加算I」として集計。
※加算情報は介護サービスの情報公表制度より(2022年6月時点/厚労省)。


●福祉施設・高齢者住宅 Data Baseの概要
【サービス概要】
全国の福祉施設の情報を収集して介護データベースを構築。ホーム基本情報のほか入居率や利用料等の商品情報を法人向けに提供。ホーム事業者や福祉機器メーカー、学術機関等の様々な分野で採用されている。

【データ収集方法】
介護サービスの情報公表制度、全国自治体が公開する有料老人ホーム重要事項説明書及びサ高住情報提供システム、全国自治体へのヒアリング等による独自調査

【企画協力・販売】
株式会社高齢者住宅新聞社 https://koureisha-jutaku-db.com/


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
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