コラム

リフレ派、消費税反対派、MMT理論を支持するのはなぜ同じ人たちなのか?

2019年07月22日(月)16時40分

したがってこの3つは、今を生きる、将来は知らん、という意味で同じ政策であり、だから、同じ人々が支持しているのであり、彼らは現在の政治的、ポジション的メリットを求めている人々なのである。

理論的にいえば、リフレ政策は金融政策は万能で、無限に効果があるという立場で、MMTは金融政策が効果を失い、財政政策だけが効果を持つ、という立場で、まったく正反対のものなのだ。

正反対のものを同じ人々が支持しているという事実こそが、これらの政策のポイントは理論的な正しさや実際の効果ではなく、現在の人気取りに役に立つ、ということが共通点であり、それだけが長所なのである。

*この記事は「小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記」からの転載です

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プロフィール

小幡 績

1967年千葉県生まれ。
1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現財務省)入省。1999大蔵省退職。2001年ハーバード大学で経済学博士(Ph.D.)を取得。帰国後、一橋経済研究所専任講師を経て、2003年より慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應ビジネススクール)准教授。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。新著に『アフターバブル: 近代資本主義は延命できるか』。他に『成長戦略のまやかし』『円高・デフレが日本経済を救う』など。

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