コラム

米ドラマ「10代」人気役者のセクシー写真

2010年11月01日(月)19時28分

 米テレビドラマ界は新シーズンが始まってまだ間もないが、さっそく物議を醸しているのが高校生の青春ミュージカルコメディー『Glee グリー』。合唱部の冴えない高校生たちが主人公の人気シリーズだが、今回話題を呼んでいるのはドラマの内容ではなく、ドラマのキャスト3人が高校生の姿でセクシーショットを披露したGQの11月号の特集だ。

 合唱部の風変わりな歌姫レイチェルを演じるリア・ミッシェルと、元チアリーダーのクイン役を務めるディアナ・アグロンが、下着姿でアメをなめながら学校のロッカーにしなだれかかったり、チアリーダー風の際どいポーズをとるなど、刺激的な写真がずらり掲載されている。

 これに激怒したのが、子供が見るテレビ番組を監視する市民団体「親たちのテレビ評議会」。「大人の男性向け雑誌のGQがGleeの高校生役を演じる女優をこんな風に描くなんて不快だ」と、ティム・ウィンター会長は語っている。「エンターテインメント業界では若い女性が性的に描かれすぎる、これがまさにその最新例だ」

 確かに、学校で人気者の男子生徒フィン役のコーリー・モンテースと女性2人が絡んだ写真は女性蔑視的と捉えることもできる(個人的には、構図自体がかなり古くさいことのほうが気になる。もうちょっと何とかならなかったのだろうか......)。

 それにしても、親たちのテレビ評議会の物言いはどこかおかしくない? 現実には、ミッシェルとアグロンは24歳、モンテースは28歳。高校生役を演じているからといって、雑誌上や他のメディアでの露出の仕方を制限される理由はない。GQ側もそう思ったらしく、「保護者テレビ審議会は現実とファンタジーを分けて考えることを学ぶべき。彼ら(特集に出た役者たち)は、もう自分たちの意思で行動できる立派な大人だ」とコメントを出している。

 一方、せっかく過激な撮影に挑んだのに集中砲火を浴びたアグロンは、自らのブログでこんな謝罪を表明した。


「これまでも既成概念の枠に挑戦した人はいる。(でも)あの写真のせいで傷ついたり、不快な思いをした人がいるなら、そんなことになるなんて私たちは考えもしなかった。ごめんなさい。もしGQの表紙を手にした8歳の子供がいるのなら、その子にもごめんなさい」

 しかし、それだけでは終わらず、こう続けた。


「......でも、そもそもどうしてGQがその子の手に渡ったの? 私はもう24歳。誰も完璧じゃないし、あの写真は本当の私とは違う。あれは全部、私たちが演じるキャラクターなんだから。私が幸運にもめぐりあった、大好きでクレイジーな仕事のためにね」

 今回の騒ぎで誰よりも器の大きさを見せつけたのは、番組の舞台となる高校でチアリーディング部の冷徹な女コーチ役を演じるジェーン・リンチ(50)。生徒たちの過激な写真を批判するどころか、「ちょっと私も負けてらんないわ」とばかりに、米女性誌MOREの11月号でこんな爆笑写真を披露した。

『Glee』ファンの若者には、是非こんな余裕のある、面白い大人をめざしてほしいものです。

――編集部・佐伯直美

このブログの他の記事も読む

プロフィール

ニューズウィーク日本版編集部

ニューズウィーク日本版は1986年に創刊。世界情勢からビジネス、カルチャーまで、日本メディアにはないワールドワイドな視点でニュースを読み解きます。編集部ブログでは編集部員の声をお届けします。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、米国産大豆追加購入の可能性低下も 関税違憲判

ビジネス

トランプ関税違憲判決、米エネ企業のコスト軽減 取引

ワールド

米USTR、新たな301条調査開始へ 主要国の大半

ワールド

トランプ氏、10%の代替関税に署名 最高裁の違憲判
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 2
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 3
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由...「落葉帰根」派も「落地生根」派も
  • 4
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 5
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 6
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 7
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 8
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 9
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 10
    ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 9
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story