コラム

東南アジアの紛争地帯に林立する「ネット詐欺工場」──10万人以上を搾取する中国人マフィア

2024年02月05日(月)12時15分

アメリカにある平和研究所で組織犯罪に関する調査・研究を統括するジェイソン・タワー博士は「Wanは公式には中国政府と全く関係ないが、‘一帯一路’ 構想に沿ってビジネスを展開している」と指摘する。

そのフロント企業である海外鴻門文化交流センターは、KKパークなどネット詐欺工場の運営主体だったとみられていて、たとえこれが解体されても次のフロント企業が立ち上げられる公算が高い。

ミャンマーは中国がインド洋に抜けるルート上にあり、‘一帯一路’ 構想のなかでも重要な位置を占める。

日本人の資産流出の懸念

日本語は世界的にみて特殊な言語であるため、これまで日本では外国の詐欺集団による被害が限定的だったが、AIの発達によりこの言葉の壁は一気に低下した。

いわゆるフェイクニュースだけでなく、詐欺に関しても、日本を取り巻く環境はより厳しさを増しているとみた方がいいだろう。

東南アジアの密林地帯で今も「操業」を続けるネット詐欺工場は、被害者の人権問題であるだけでなく、日本人の資産を脅かしかねない問題でもあるのだ。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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プロフィール

六辻彰二

筆者は、国際政治学者。博士(国際関係)。1972年大阪府出身。アフリカを中心にグローバルな政治現象を幅広く研究。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、日本大学などで教鞭をとる。著書に『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『世界の独裁者 現代最凶の20人』(幻冬舎)、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、共著に『グローバリゼーションの危機管理論』(芦書房)、『地球型社会の危機』(芦書房)、『国家のゆくえ』(芦書房)など。新著『日本の「水」が危ない』も近日発売

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