コラム

根拠なきデマと誹謗中傷に新宿案内人がすべてお答えする

2018年09月19日(水)17時10分

過去のコラムで「外国人参政権が日本を救う」と書いた。結果的に自分は日本国籍を取得したが、今もこの考えには変わりない。永住権を取得して税金もきちんと納めている外国人が、地方参政権すら与えられないのでは、これからの日本はとても優秀な外国人を呼び込むことはできない。

「日本が外国に支配される」と煽る人がいるが、仮に定数38人の新宿区議会で元外国人の議員が1人当選したとして、外国政府が一体何をできるのか。むしろ元外国人の意見が区政に反映されたほうが、よっぽど区民のためになるはずだ。

88年に来日した私は日本に10年住んだ後、永住ビザを取得した。永住ビザを取った当時、日本国籍を取得することは考えていなかった。ただその後20年日本に住み続けて、私の考えは変わった。

日本が好きだし、今はもう仕事以外で中国に戻ることはない。だから日本国籍を取得して日本人になり、日本の政治家を目指している。当時は当時だ。間違った考えを改めることのどこが問題なのか。私は文化大革命が続いていた子供のころ、「解放軍の戦士になる!」という夢を持っていた。私は今から人民解放軍に入らなければならないのだろうか?

「くだらないお遊び」に関わってしまった

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先日、コメンテーターの仕事で北京を訪れた時、私は市内にある「盤古七星酒店(パングーセブンスターホテル)」に宿泊した。これはニューヨークで中国政府高官の腐敗を告発し続けている富豪の郭文貴が所有するホテルだ。番組の収録が終わった後、2泊3日利用したのだが、その料金は先方の説明によれば228万元(約3700万円)だという。

「反中共の立場を日中両国のネットで表明した #李小牧 氏、先週なんとスパイ罪で多くの日本人が実刑判決されている中国から無事帰国」「李小牧さんが泊まったホテルは......何という恐ろしい金額でしょう」と書かれた。私が共産党のスパイだと言いたいのだろうか。

確かにホテルの部屋は北京五輪のメーン会場だった鳥巣スタジアムや競泳会場の「水立方」が見える最上階。料理も珍しい高級なものばかりだったが、そもそも本当に228万元に相当するかどうかは私には分からないし、私は1元ももらっていない。

問題は、郭文貴が私を北京で「接待」したその目的だ。わいろ? そもそも私には何の権力もない。もちろん支持者が減っても自分を応援し続ける李小牧に何かの形で報いたい、という気持ちが郭にあったのは間違いない。郭自身からは「泊まってほしい」としか聞いていないが、彼はおそらく私を通じて自分がいかに信じられない接待を中国高官に対して繰り返してきたかを世界にアピールしたかったのだ。実際、中国の腐敗官僚はこのホテルをたびたび利用していた。

郭文貴と中国政府、特に習近平の関係がどうなのか、正直私には分からない。しかし郭が続けてきた「爆料(暴露)」が中国の腐敗を暴いてきたのは間違いない。国家副主席になった王岐山と海南航空の関係が暴かれ、同社の王健会長のフランスでの不審な死が世界的な注目を集めている。ここからさらに中国政府の腐敗が明らかになるかもしれない(参考コラム:中国大手32社が「不審死&経営難」海南航空と同じ運命をたどる!? )

プロフィール

李小牧(り・こまき)

新宿案内人
1960年、中国湖南省長沙市生まれ。バレエダンサー、文芸紙記者、貿易会社員などを経て、88年に私費留学生として来日。東京モード学園に通うかたわら新宿・歌舞伎町に魅せられ、「歌舞伎町案内人」として活動を始める。2002年、その体験をつづった『歌舞伎町案内人』(角川書店)がベストセラーとなり、以後、日中両国で著作活動を行う。2007年、故郷の味・湖南料理を提供するレストラン《湖南菜館》を歌舞伎町にオープン。2014年6月に日本への帰化を申請し、翌2015年2月、日本国籍を取得。同年4月の新宿区議会議員選挙に初出馬し、落選した。『歌舞伎町案内人365日』(朝日新聞出版)、『歌舞伎町案内人の恋』(河出書房新社)、『微博の衝撃』(共著、CCCメディアハウス)など著書多数。政界挑戦の経緯は、『元・中国人、日本で政治家をめざす』(CCCメディアハウス)にまとめた。

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