最新記事
ビジネス

BATジャパン、設立25周年で新体制 オーラルたばこ「VELO」を成長の柱に

2026年4月1日(水)17時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
BATジャパン 社長 兼 BAT 北東アジア エリア・ディレクターのマウリシオ・ララ氏(左)とBATジャパン 副社長 兼 BAT 北東アジア マーケティング・ディレクターのアルパー・ユース氏(右) BATジャパン

BATジャパン 社長 兼 BAT 北東アジア エリア・ディレクターのマウリシオ・ララ氏(左)とBATジャパン 副社長 兼 BAT 北東アジア マーケティング・ディレクターのアルパー・ユース氏(右) BATジャパン

<BATジャパンがスモークレス戦略を一段と加速する。設立25周年と新社長就任を機に、オーラルたばこ「VELO」を成長の柱に据え、体験機会の創出や販路拡大を進める方針だ。日本市場を起点に、グループ全体の変革をけん引する狙いがある>

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATジャパン)は、設立25周年と新社長の就任を機に、日本市場でのスモークレス製品戦略を一段と強化する。なかでも、オーラルたばこ「VELO」を今後の成長ドライバーとして位置付け、体験機会の拡大や販路・商品展開を進める方針だ。

背景にあるのは、同社が掲げる中長期の事業構造転換だ。BATグループは2035年までに収益の大半をスモークレス製品とする目標を掲げており、日本はすでにその構成比が50%を超える先行市場となっている。国内で拡大する需要を取り込むことで、グループ全体の成長をけん引する役割も担う。

BATジャパン新社長のマウリシオ・ララ氏は3月26日、事業戦略記者説明会に登壇し、次のように語った。

「本日は、BATジャパンの次の時代の幕開けを象徴する、特別な節目です。私たちはこれから、新カテゴリーへの転換を大きく加速させていきます。そして日本は、その取り組みをグループ全体で先導する存在となります」

newsweekjp20260330061241.jpg

事業戦略記者説明会でスモークレス戦略について説明するBATジャパン社長のマウリシオ・ララ氏 BATジャパン

市場は拡大フェーズへ、日本でも数百万規模の可能性

オーラルたばこは、煙や灰が発生せず、デバイスも不要なスモークレス製品だ。使用場所を選ばない利便性などから、世界的に急速な成長が続いている。

同社の説明によると、世界のオーラルたばこ市場は2025年〜2030年、複合年間年平均6〜15%で拡大する見込み。スウェーデンでは紙巻たばこを上回る利用が進むなど、すでに一定の定着が見られる。

日本でも市場は立ち上がり期から成長局面に移行しつつある。使用者数は2022年の約30万人から2025年には約90万人へと拡大。さらに2030年には400万〜500万人規模に達する可能性があるとされる。

newsweekjp20260330061525.jpg

オーラルたばこ「VELO」の各種フレーバー展開 BATジャパン

「VELO」が示す伸び、国内でも販売倍増ペース

こうした市場環境の中で、BATジャパンが軸とするのが「VELO」だ。グローバルで展開する同ブランドは約50市場に広がり、欧州で高いシェアを持つほか、米国でも急成長を続けている。

日本市場でも存在感を強めており、2020年の発売以降、販売量はほぼ毎年倍増。全国的な販売網と豊富なフレーバー展開に加え、日本向けに小型パウチを投入するなど、ローカライズも進めてきた。

需要拡大の背景には、喫煙環境の変化もある。2020年の健康増進法改正以降、喫煙可能な場所が減少し、職場などでの摩擦も顕在化する中、「利便性」「周囲への配慮」「切り替えやすさ」という要素が選択の基準になっているという。

100万回の体験創出へ、カルチャー連携も

BATジャパンは2026年、喫煙者に向けた「VELO」の体験機会を100万回以上創出する計画を掲げる。あわせて販路の拡大と、日本市場に合わせたフレーバー強化を進め、さらなる浸透を図る。

プロモーション面では、「その瞬間を REMIX」をコンセプトに、音楽やアート、ゲームといったカルチャーとの連携を強化。4月末には没入型イベントを皮切りに、日常シーンでの利用イメージを広げる取り組みを展開していく。

設立25周年を迎えたBATジャパンは、スモークレス領域へのシフトをより鮮明にしながら、日本市場での存在感を一段と高めていく構えだ。

ニューズウィーク日本版 BTS再始動
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月7号(3月31日発売)は「日本企業に迫る サステナビリティ新基準」特集。国際基準の情報開示や多様な認証制度――本当の「持続可能性」が問われる時代へ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ユーロ圏製造業PMI、3月は45カ月ぶり高水準 供

ビジネス

訂正-〔兜町ウオッチャー〕日経平均の底堅さは本物か

ワールド

インドネシア3月インフレ率、目標圏内に低下 イラン

ビジネス

アイリスオーヤマ、ライフドリンクC株を連日買い増し
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 4
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 5
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 6
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 7
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 8
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 9
    「え、なんで?」フライト中に操縦席の窓が覆われて…
  • 10
    韓国・週4.5日労働制が問いかけるもの ──「月曜病」解…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中