- HOME
- コラム
- 犯人目線で見る世界 ダークサイドの社会学
- 広域連続強盗に見られる「ピンポイント強盗」 対策の…
広域連続強盗に見られる「ピンポイント強盗」 対策の一丁目一番地は?
第二は、ダークウエブ上などで購入した各種リストを合体させる「コンバージェンス(融合)」である。利用されやすいリストとしては、同窓会名簿、社員名簿、町内会名簿、株式投資者のデータ、宝石やブランド品の顧客データなどがある。
一つひとつのリストはそれほど重要ではないものでも、それはジグソーパズルのピースのようなもので、ピースを組み合わせればピタッと「多額の金品がある家」の情報が浮き出ることがある。「ジグソーアプローチ」とか「モザイクアプローチ」などと呼ばれている手口だ。写真などのSNSへの投稿もピースになり得る。各種アンケートへの回答もその結果が漏れればピースになり得る。
このように、ピンポイント強盗から家を守るためには、下流の川沿いに堅固な堤防を築くより、上流にダムを造る方が得策である。河川地形(家の構造)は変えられないが、河川流量(個人情報の漏洩)は変えられるからだ。要するに、下流で起こる洪水の氾濫(ピンポイント強盗)は、ダム(自己情報の管理)によって予防できるのである。
犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事件の現場から浮かび上がる「2つの条件」 2025.07.08
『ウォーキング・デッド』が犯罪学や社会学の「素晴らしい教材」と言える理由 2025.05.08







