コラム

もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商品を並べる仕事」しかない...英シティから警告の声

2025年11月04日(火)18時59分

英最低賃金委員会は現行、時給12.21ポンドの全国生活賃金を来年12.55~12.86ポンドの間に引き上げることを検討中だ。FT紙はレイチェル・リーブス英財務相が秋の予算案で全国生活賃金を4%引き上げ、12.70ポンドにすると発表する見通しだと報じている。

週40時間勤務の生活賃金労働者の平均年収は2万5376ポンドから2万6416ポンドに上昇する。昨年の学生就職調査では金融・プロフェッショナルサービスの年収レンジは2万6000~4万8000ポンドで中央値は3万3000ポンド。

他の先進国と比較して所得格差が大きい英国

法務の中央値は4万8500ポンド(2万8280~5万7500ポンド)。デジタル・ IT(情報技術)は中央値3万3750ポンド(2万7000~4万7350ポンド)。全セクターの中央値は3万2000ポンド(2万2000~5万7500ポンド)。これでは大学を出ても出なくても同じというわけだ。

英市民団体「格差トラスト」によると、英国は他の先進国と比較して所得格差が大きい。22年、所得下位20%の世帯の可処分所得は1万3218ポンド。上位20%の世帯は8万3687ポンド。元の所得で比較すると実に12倍以上の開きがある。

1980年以降、英国における上位1%の所得シェアは上昇し、世界金融危機前の2007年に14.7%でピークを迎えた。ベルギー7%、オーストラリア9%、スウェーデン8%、ノルウェー8%と比べても英国の格差が大きいことが分かる。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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