コラム

幼い子がいる家庭の24%が「食料の貧困」...子どものチャンスを広げるため、英国で注目が集まる2つのこと

2024年12月03日(火)18時20分
イギリスで広がる貧困の子どもへの支援活動

写真はイメージです 1000 Words/Shutterstock

<毎朝20万人以上の子どもに無償の学校給食を提供する慈善団体と、フィナンシャル・タイムズ紙が設立した慈善団体>

[ロンドン発]英紙フィナンシャル・タイムズは12月2日付社説で「子どもたちの人生のチャンスを広げるために重要な2つのこと」と題し、無償の学校給食と金融リテラシーの向上に取り組む慈善団体への支援を呼びかけている。

子どもたちがお腹をすかして学校で学べないようなことがないよう、慈善団体「マジック・ブレックファスト」は各自治体と協力してイングランドやスコットランドの小・中等学校の子どもたち20万人以上に毎朝、無償の朝食を提供している。

最大20品目からなる「マジック・メニュー」は子どもたちに多様な食品と栄養素の選択肢を与えている。学校での朝食は子どもたちの学習、メンタルヘルス、社会的スキルをサポートする上で大きな役割を果たすことがさまざまな調査で実証されている。

英国で無償の学校給食を提供されるのは親が特定の福祉手当てを受ける子どもたちに限られている。今年1月時点で210万人の子どもたちが無償の学校給食を提供されている。コロナ危機の後遺症や福祉制度の変更で無償の学校給食を提供される子どもたちの割合は激増している。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米エヌビディア、世界時価総額ランキングで首位に返り

ビジネス

日経平均は小反発で寄り付く、自律反発期待の買いで 

ワールド

トランプ氏、アフリカ5カ国首脳会議を来週開催 「商

ワールド

米印貿易交渉、期限前合意へ協議継続 農業巡りなお相
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索隊が発見した「衝撃の痕跡」
  • 3
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 4
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 5
    米軍が「米本土への前例なき脅威」と呼ぶ中国「ロケ…
  • 6
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 7
    熱中症対策の決定打が、どうして日本では普及しない…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 10
    「22歳のド素人」がテロ対策トップに...アメリカが「…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 6
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 7
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story