コラム

「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外の通貨」に対する円の価値を見て分かること

2026年02月12日(木)17時18分

ドル以外の通貨に対する相場(クロス円)から見えること

仮に全世界が同時インフレになった場合でも、為替は常に相対的に動くので、その中でより価値が維持できる通貨が相対的に高くなり、価値が維持できない通貨は安くなる。一方で金のように価値が維持できる資産の価格が上がるという現象が発生するが、実際、今の為替市場はそれに近い動きを見せている。

ドル円相場における円の下落幅と、ドル以外の通貨に対する相場(クロス円)を比較すると、円安の度合いでは後者のほうが激しくなっており、一方で金価格は歴史的水準となっている。

一部では円安について、ドルの価値も下がっているのだから円の弱さだけを取り上げるのは適切でないという意見も聞かれるが、為替が相対的な市場である以上、そのロジックは通用しない。このままではドルが売られるときには、円はさらに売られる可能性が高いと言わざるを得ない。

そうした事態を回避するためにも、通貨価値を維持できる政策への転換が必須である。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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