コラム

目先の利権を優先してきたインフラはもう限界...日本人が知らない大問題

2021年06月23日(水)18時41分

水道は基本的に人口に応じた整備しか行われないのでまだいいほうだが、道路や橋などはいくらでも建設することができる。日本では高度成長期にインフラを整備した際、設備の更新を考慮に入れず、新規建設の拡大を最優先してきたが、そうなってしまった最大の理由は、新規建設のほうが圧倒的に政治利権として魅力的だったからである。

水道に限らず、日本の公共インフラは皆、似たような状況にあり、今後、維持が困難になる地域が続出する。人口減少も設備の劣化も以前から分かっていたことであり、これは目先の利益を優先してきたツケと言わざるを得ない。

状況を打開するには、地域集約化を進め、インフラ運営を合理化していく以外にないだろう。水道事業については維持が難しくなっていることから大規模な民営化の議論もささやかれているが、水道は命に関わるインフラであり、安易な民営化はリスクが大きい。自治体の問題とはいえ、政府主導で現実的な解決策を提示していく必要がある。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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