目先の利権を優先してきたインフラはもう限界...日本人が知らない大問題
水道は基本的に人口に応じた整備しか行われないのでまだいいほうだが、道路や橋などはいくらでも建設することができる。日本では高度成長期にインフラを整備した際、設備の更新を考慮に入れず、新規建設の拡大を最優先してきたが、そうなってしまった最大の理由は、新規建設のほうが圧倒的に政治利権として魅力的だったからである。
水道に限らず、日本の公共インフラは皆、似たような状況にあり、今後、維持が困難になる地域が続出する。人口減少も設備の劣化も以前から分かっていたことであり、これは目先の利益を優先してきたツケと言わざるを得ない。
状況を打開するには、地域集約化を進め、インフラ運営を合理化していく以外にないだろう。水道事業については維持が難しくなっていることから大規模な民営化の議論もささやかれているが、水道は命に関わるインフラであり、安易な民営化はリスクが大きい。自治体の問題とはいえ、政府主導で現実的な解決策を提示していく必要がある。

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