張本勲が「真の男」とたたえた尹錫悦...今後の日韓関係、左右するのは「韓国の国内政治」
朝鮮日報は保守系新聞であり、対日融和を進める尹政権の施策を正当化する意図を見るのは容易である。「野球をしていたからか、ほとんど差別されませんでした」とも、張本はインタビューで話している。しかし重要なのは、張本が自らの実績により差別や貧困を克服したように、韓国の人々もまた経済発展や国際的地位の向上により、過去の日本への否定的な認識を克服していくのかを問うことだ。
忘れてはならないのは、われわれの住む社会は、張本のような成功した人々によってのみ構成されているわけではないことだ。繁栄からこぼれ落ち、その結果、進歩系の野党を支持する人々が一定数おり、彼らに繁栄の結果としてプライドを持て、というのは酷に過ぎる。
だからこそ、成功から排除された人たちにどう向き合うかは、国内問題のみならず、対外意識を考える上でも重要になる。そしてそれは、尹錫悦政権がこれまで対立して来た人々との関係をも取り結ばなければならないことを意味している。
張本がインタビューで「真の男」とたたえた尹錫悦は、そんな成長の恩恵から排除された人たちに、どうやって「プライド」を与え、自らの対日政策の意義を理解させるのか。今後の日韓関係を左右するのは、韓国の国内政治になるのかもしれない。
2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
医学部定員増に反対してストを続ける、韓国医師の「ミゼラブル」な前途 2024.04.02
注目の新党はあえなく空中分解......韓国で第3党が成功しない理由 2024.02.27
韓国最高裁が歴史認識問題で「親日判決」を出した深い理由 2023.11.21
与党も野党も独裁者も人権派も......韓国の政治家は断食(と丸刈り)がお好き 2023.10.24