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時代に負けた独立と自由のインディー紙

インディペンデント紙は3月からデジタル版のみの発行になることが今月発表された Neil Hall-REUTERS
イギリスのインディペンデント紙(あるいは親しみをこめて「インディー」)に対して、かなりの思い入れがあるのは僕だけではない。
多くの若いジャーナリストが、この新聞で人生初の記事を書いてきた。1999年に僕の記事が何本かこの新聞に掲載された(署名記事だ!)ときの興奮は今もよく覚えている。全国紙に記事を書くことにひどく緊張していた僕は、記事の何本かがカットもされず掲載されたことに有頂天になった。
だがインディペンデントにはもっと深い意義がある。1986年の創刊当時、この新聞にはオーナーがいなかった。同紙で働くジャーナリストたちが所有者だったのだ。だから記事の編集において「政治的姿勢」を指示する(あるいは押しつける)ような大富豪のオーナーはいなかった。同紙初の広告キャンペーンのキャッチコピーは実に気が利いていて、今でも多くの人が覚えている。「ザ・インディペンデント――われわれは独立している。あなたは?」
販売部数は急増し、既存の新聞を脅かすほどだった。ルパート・マードックのニューズ・インターナショナルは過剰に反応し、傘下のタイムズ紙の価格を採算が取れないほど大幅に引き下げ、読者をインディーから引き離してタイムズにつなぎとめようとした。それができたのは、ニューズ・インターナショナルが傘下の他部門から資金を融通できたからだ。一方でインディーには、販売価格を値下げしても埋め合わせができるような別の収入源はなかった。
とどめを刺した部数低迷
インディーのライターや記者は、他紙ほど編集者の意向に縛られることなくずっと自由に活動できた。僕が後にテレグラフ紙で働いていたときには、信じられないほど記事に手を入れられた。まるで編集者は、記者本人よりも記事のことをよく分かっているとでもいうかのようだった。
インディーの場合、時にはぎこちない記事に手を入れられたことはあったものの、「編集したいがために編集する」というようなことはなかった。
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