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「三菱重工業」の株価上昇はどこまで続く...高市銘柄の大本命を後押しする「防衛費GDP比2%」と対米投融資への期待

2026年02月25日(水)17時30分
山下耕太郎(トレーダー、金融ライター)

トランプ大統領は2月17日、日本が約束した5500億ドル(約84兆円)の対米投融資について、第1弾として事業規模360億ドルのプロジェクトを決定したと発表しました。この第1弾プロジェクトの中には、中西部オハイオ州におけるアメリカ最大規模のガス火力発電事業が含まれています。

この発表を受け、「政策に売りなし」という相場格言の通り、ガス発電と蒸気タービン発電を併用する高効率のガスタービンを手掛ける三菱重工業へ即座に買いが向かいました。足元の業績拡大を牽引しているのはエナジー部門であり、特に「ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)」と呼ばれる発電プラントは稼ぎ頭となっています。

生成AIの急速な普及に伴い、データセンター向けの膨大な電力需要が見込まれる中、発電効率の高いガスタービンへの更新需要が世界的に相次いでいます。大型ガスタービンの受注台数も前年を上回るペースで好調に推移しており、対米投融資という国策の追い風によって、需要が上乗せされる中長期的な業績拡大のポテンシャルが一段と高まりました。

次世代原子炉への期待と対米投融資「第2弾」の思惑

さらに、株式市場の視線は早くも対米投融資の「第2弾」へと向かっています。3月に予定されている高市首相の訪米に合わせて検討が進められると報じられており、有力な候補として挙がっているのが「次世代型原発の建設」です。

高市首相は「エネルギー・資源安全保障の強化」を公約に掲げており、次世代革新炉やフュージョンエネルギー(核融合)の早期社会実装を支援する方針を打ち出しています。

この分野でも、中心的な役割を担う存在は三菱重工業です。原子力発電プラントの開発から製造、運転、保守までを一貫して手掛ける総合プラントメーカーであり、現在、次世代型原子炉の1つである「小型モジュール炉(SMR)」のほか、離島・僻地や災害地の電源として利用可能なポータブルな「超小型原子炉(マイクロ炉)」などの開発を強力に推し進めています。

エネルギー問題の解決に向けて日米間で協議が進めば、関連銘柄の中心的な位置づけにある三菱重工業の技術力がクローズアップされる可能性は高いでしょう。

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