コラム

抗議デモに参加した17歳息子の足元に新品の靴 略奪に加わった可能性が...

2020年07月31日(金)16時30分

A:今回の暴動は、黒人が「システム」に従って「善良な市民」たらんと努めたところで自由が保障されるとは限らず、孫の世代に今よりも公平な世界を残せるわけでもないという現状に端を発しています。

警察への通報が黒人にいい結果を生むことはまずありません。警察が見せしめのために、そして自分たちの存在意義を示すために、あなたが思うような微罪でなく重い罪状で息子さんを逮捕する可能性は大いにあります。もしあなたや息子さんが警官に殺されたとしても、まともな責任追及が行われることなど期待できません。そんな警察に、たかが靴を1足盗んだくらいのことで息子を出頭させようという黒人の父親がいるとは驚きです。

盗みが許せないなら、損失分を店に弁償する方法(ただし、息子さんのことがばれないように注意しつつ)を考えましょう。靴は奥さんの言うように寄付すればいい。

この国の人種差別の歴史によって息子さんは、靴では埋め合わせできないくらいの重荷を背負わされている。私はデモに参加した息子さんたちを誇りに思います。

──ジャミラ・ルミュー(文化評論家)

©2020 The Slate Group

<本誌2020年6月30日号掲載>

▼あわせて読む
「娘の目のことで人種差別を受けます」それも身近な人たちから
レストランで騒ぐ息子が店員に叱られた話、FBに投稿したら炎上した... なぜ?

20200804issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月4日号(7月28日発売)は「ルポ新宿歌舞伎町 『夜の街』のリアル」特集。コロナでやり玉に挙がるホストクラブは本当に「けしからん」存在なのか――(ルポ執筆:石戸 諭) PLUS 押谷教授独占インタビュー「全国民PCRが感染の制御に役立たない理由」

プロフィール

スレート誌人生相談員

育児や家庭生活から人間関係、セックスまで、誰にも言えないあらゆる悩みに米作家やライターが答えます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ軍、東部戦線で反攻作戦を展開=ゼレンスキ

ワールド

プーチン氏が増税示唆、戦時中は「合理的」も 財政赤

ワールド

全国CPI、8月は前年比+2.7%に鈍化 補助金や

ワールド

トランプ氏、TV局の免許剥奪を示唆 批判的な報道に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story