英予算責任局トップが辞任、予算情報事前公開で引責 システムに欠陥

Muvija M　William Schomberg

［ロンドン　１日　ロイター］ - リーブス英財務相が先週、議会に対して政府予算案を正式に提示する前に、予算責任局（ＯＢＲ）が誤って予算案の詳細な分析報告をウェブサイトに公開した問題を巡り、ＯＢＲのリチャード・ヒューズ局長が１日に辞任した。

予算案自体が明らかにならないうちに増税の詳細や経済見通しなどが公開されたことで一部の議員から怒りや嘲笑の声が広がり、リーブス氏は財政演説の冒頭でこの失態に「深く失望している」と述べ、ＯＢＲによる重大な過失だと言及せざるを得なくなった。

ヒューズ氏は辞任表明の書簡で、調査を通じて判明した不手際の責任を取るとした上で「私が局長を辞めることがＯＢＲにとって最善だと判断した」と明らかにした。

これに先立ちＯＢＲは、今回の問題が起きた原因についての調査結果を公表し、首脳部が見抜けなかった既存のＩＴ上の欠陥だったと説明。再発防止のためにシステムを改善すると強調した。

今年３月にも、リーブス氏の半期予算改定に関する議会演説中にＯＢＲの報告書が入手可能となり、ロイターが速報している。

先週と３月のいずれも、ＯＢＲの報告書が保護されていないリンクからダウンロードが可能な状態になっていた。

調査によると、入力フォーム最適化（ＥＦＯ）に関わった全員が必要な保護措置が講じられたと信じていたが、実際そうなっておらず、結果的に保護措置が機能しなかったという。

ある非執行ディレクターは「この脆弱性が発生し、その後露呈した状況に対する最終的な責任は長年にわたるＯＢＲのリーダーシップにある」と指摘した