ネクスペリアに離脱の動きと非難、中国の親会社 供給網巡り
2025年11月7日、中国広東省東莞市で撮影。、REUTERS/Maxim Shemetov/File Photo
[北京/アムステルダム 28日 ロイター] - オランダに本拠を置く半導体メーカー、ネクスペリアを傘下に置く中国の聞泰科技(ウィングテック)は28日、ネクスペリアが中国を除外したサプライチェーン(供給網)を構築し、支配関係から離脱する動きを見せているとして非難した。ネクスペリアの欧州本社が「正当な支配権」を巡る問題を回避しようとしており、協議できないと主張。問題が未解決のままでは供給網の混乱が再発する恐れがあると警告した。
オランダ政府は約2カ月前、安全保障上の懸念があるとしてネクスペリアを管理下に置いた。その後オランダの裁判所は、ウィングテックの経営支配権を取り消した。これに対し、中国は10月上旬、ネクスペリアの完成品の輸出停止でオランダ側の動きに報復。自動車のサプライチェーンに混乱をもたらした。11月に入って輸出規制は緩和され、オランダ政府は先週、管理下に置く措置の停止を表明。ただ、裁判所による決定は有効なままとなっている。
一連の動きを受け、ネクスペリアの欧州本社と中国部門で対立が深刻化。中国部門が欧州本社の管理から独立すると宣言し、欧州側が中国工場への半導体ウエハー供給を停止する事態となっている。
ネクスペリアの中国部門は別の声明で、中国での生産を置き換える意図があるとして、3億ドル規模のマレーシアでの工場拡張計画といった海外事業拡大を中止するよう求めた。2026年半ばまでに全体の9割を中国国外で生産する体制にするとの内部目標があるとも主張した。ネクスペリアが27日公表した公開書簡で、中国部門と対話再開を何度も試みたものの実現しなかったと主張したことに対しては、中国側の従業員のメールアカウントを削除し、ITシステムへのアクセスを遮断してコミュニケーションを妨害しているためだと反論。
ウィングテック側の非難に対し、ネクスペリア欧州本社の広報担当者は「まずは建設的に話し合う方法を探す必要がある」と述べた。





