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トランプ政権、石炭火力大気汚染物質の規制厳格化を撤廃する方針

2025年11月26日(水)08時59分

写真は米国国旗と米環境保護局(EPA)のロゴ。4月23日撮影。REUTERS/Dado Ruvic

Valerie Volcovici

[ワシントン 25日 ロイター] - トランプ米政権は24日、バイデン前政権が実施した石炭火力発電所や工場から排出される大気汚染物質PM2.5(微小粒子状物質)の規制強化の撤回を求める訴訟を推進すると表明した。米環境保護局(EPA)は25日、一部の大型石炭火力発電所を対象に、石炭を燃料とするボイラーの稼働停止と、未舗装の石炭灰貯留所の閉鎖期限を3年間延長することを提案した。

新たな閉鎖期限を2031年10月に設定し、「電力網の信頼性確保」のためだとしている。EPAは延長案についての意見を来年1月7日まで募集する。

石炭産業の復活を掲げてきたトランプ氏の規制緩和策となる。ばいじんとされるPM2.5はぜんそくや心血管疾患と関連があるとみられ、重要な公衆衛生保護からの露骨な後退になると非難する声が出ている。

バイデン前政権下のEPAは2024年、PM2.5の排出規制を年間で1立方メートル当たり9マイクログラム(マイクロは100万分の1)に厳格化し、これで80万人超のぜんそく症状と2000人の通院患者、4500人の早死にを防げると訴えていた。

これに対してトランプ政権下のEPAは今月24日、南部ケンタッキー州が主導する計24州と全米製造業協会などの業界団体がこの規制厳格化の撤回を求めて連邦裁判所に起こした訴訟について、業界団体側の主張を支持すると表明した。

既存の石炭火力発電所の91%弱は既に規制要件を満たしている。だが、EPAは24年の規制厳格化について「実施が認められれば米国民に数十億ドル、そうでなくても数億ドルの負担を強いることになる」とし、利用可能な科学的知見の完全な検証に基づいているわけではないと主張した。その上で報道担当者は「EPAは大気浄化法に基づき、徹底的な見直しを実施する」ともコメントした。

環境団体クリーン・エア・タスク・フォースのヘイデン・ハシモト弁護士は「EPAの措置は、法的な要件を回避しようとする露骨な企てだ。今回の件は、公衆衛生保護のためにEPAが近年実施した最も影響力のある施策の1つを撤回しようとしている」と批判した。

ロイター
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