中国、太平洋島しょ地域に調査船 宇宙・ミサイル追跡船も活動
写真はミクロネシア連邦コロニアのポンペイ国際空港。2019年8月撮影。REUTERS/Jonathan Ernst
Kirsty Needham
[シドニー 20日 ロイター] - 太平洋のミクロネシアやポリネシアの島しょ国付近で先月、中国の調査船5隻が活動していたことが、米グアムを拠点とする調査研究機関、太平洋島しょ安全保障センター(PCIS)が20日公表したデータで分かった。米軍は、日本などの同盟国との軍事演習をグアム周辺で活発化させており、11月も日豪印との演習「マラバール」を実施した。PCISは、太平洋における覇権争いに島しょ国が巻き込まれる可能性があると指摘した。
PCISのミクロネシア安全保障モニターによると、先月、キリバス付近で、宇宙・ミサイル追跡船「遠望7」を含む中国の調査船3隻が確認されたほか、ミクロネシア連邦とマーシャル諸島付近でも2隻の中国調査船の活動していた。
ミクロネシア連邦とマーシャルは米国と安全保障協定を締結している。キリバスは昨年、中国が発射実験をした大陸間ミサイルが周辺海域に落下したことに懸念を表明した。
同モニターによると、米軍は8月から11月の間にグアム周辺で同盟国との合同演習を9回実施した。
PCISのディレクター、リーランド・ベティス氏はインタビューで、米軍が二国間や多国間の演習を頻繁に行っている海域に中国が調査船を派遣し、事実上、海中戦闘空間のデータ収集や解析を行っていると指摘した。
「30年前なら、この地域での米国の存在は抑止力になっていた。しかし今日は、技術進歩の結果、われわれのほうが標的になっている」と語った。
中国外務省は、太平洋島しょ国地域への調査船派遣に関するコメント要請に回答していない。





