アイルランド財務相が辞任、世界銀行上級職へ転身

アイルランドのドノフー財務相。2025年10月23日、ベルギーのブリュッセルで撮影。 REUTERS/Yves Herman/File Photo

Padraic Halpin　Graham Fahy

[ダブリン １８日 ロイター] - アイルランドのドノフー財務相は１８日、世界銀行の上級職に就くため、財務相とユーロ圏財務相会合（ユーログループ）の議長を辞任した。ドノフー氏のアイルランド政界引退で、連立政権は最も経験豊富な閣僚の１人を失うことになる。

世界銀行は声明で、ドノフー氏が２４日付で専務理事兼最高知識責任者に就任すると発表した。最高知識責任者はより大きな成果を求めて成功した開発ソリューションを展開し拡大することを目的とした役職だという。政府や慈善団体との連携を主導し、今月末に退任するアクセル・ファン・トロッツェンバーグ上級専務理事の役割を改編する形で職務に就く。

ドノフー氏は２０１７年に財務相に就任して以来、アイルランドの財政を欧州でも最も健全な水準へと導いた。巨額の財政黒字があっても大規模な減税や歳出拡大の要請にしばしば慎重だった。今年１月の選挙後に財務相に再任されたばかりで、さらに７月はユーログループ議長にも３期目として選出されていた。本来の任期は２年半だった。

ドノフー氏は「私は経済と財政を慎重に管理することで、より良く公平なアイルランドを築くことを目指してきた」とし、世界銀行の新しい役割でも「大きな変革期にある世界のために同じように取り組みたいと考えている」と語った。