ロシアのノバテク、ＬＮＧを3－4割値引きで中国向けに販売＝関係者

中国広西チワン族自治区で稼働する液化天然ガス（LNG）トラック。2018年7月24日に撮影。REUTERS

Marwa Rashad　Emily Chow　Chen Aizhu　Anna Hirtenstein

[ロンドン／シンガポール １９日 ロイター] - ロシアの液化天然ガス（ＬＮＧ）企業ノバテク は、欧米による最も厳しい制裁の対象となっている同社の大企業開発プロジェクト「アークティックＬＮＧ２」から出荷するＬＮＧについて、８月以降に価格を３０－４０％引き下げ、中国向けに販売している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

プーチン大統領の側近が所有者に名を連ねるノバテクは、２０２３年１２月にアークティックＬＮＧ２のプラントで生産を開始。しかし、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁に伴い、今年８月まで出荷ができない状態が続いていた。

関係者の１人は、最初のカーゴが８月２８日にアジアのＬＮＧ指標価格（１００万英国熱量単位＝ｍｍＢＴＵ当たり１１ドル前後）より３－４ドル安い価格で納入されたと述べた。

８月以降納入されたのは合計１４カーゴで、中国の買い手は３－４割程度安い価格で受け取り続けた、と２人目の関係者が説明した。

ノバテクはロイターのコメント要請に応じなかった。

トランプ米政権はロシアの国庫収入を減らし、ウクライナとの停戦に追い込むためにロシアの石油取引に制裁を発動。ホワイトハウスは、ロシア産エネルギーの購入を続ける国にも制裁を科すと示唆している。

ただ、中国は欧米の制裁に反対する姿勢を維持しており、中国の企業・団体とロシアのエネルギー取引を阻止するのは難しいのが実情だ。