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ジャマイカ、最強ハリケーン被害は現時点で60億-70億ドル=首相

2025年11月05日(水)14時22分

 ジャマイカのホルネス首相は4日の議会下院で、過去150年で最強クラスとされるハリケーン「メリッサ」による家屋や重要インフラへの被害について、昨年の国内総生産(GDP)の28-36%前後に相当すると明らかにした。写真は4日、ジャマイカ・ウェストモアランドで撮影(2025年 ロイター/Raquel Cunha)

[キングストン 4日 ロイター] - ジャマイカのホルネス首相は4日の議会下院で、過去150年で最強クラスとされるハリケーン「メリッサ」による家屋や重要インフラへの被害について、昨年の国内総生産(GDP)の28-36%前後に相当すると明らかにした。

ホルネス氏は、これまでの被害を金額にすると保守的に見積もっても60億-70億ドルに上り、短期的にはGDPを8-13%押し下げると述べた。

さらにこうした経済的損失によってジャマイカの債務のGDP比が悪化すると警告。政府としては財政運営ルールを一時停止する緊急事態条項を発動すると表明した。

昨年ジャマイカをハリケーン「ベリル」が襲った際にも金融・保険支援措置を打ち出したホルネス氏は、現在近隣の同盟諸国や開発機関、民間セクターに資金面での支援を求めているとしている。

ホルネス氏は「専門家はメリッサを大西洋で物理的に発生可能な最大限の嵐だと表現しており、記録的な高さの海水温によって引き起こされた。その力はあまりに強大で、数百マイル先の地震計に通過が記録されたほどだ。メリッサは単なる悲劇ではなく警告だ」と訴えた。

その上で深刻化する気候変動の影響にも耐えられるような、地下送電網などのインフラを再建すると約束し、太陽光パネルやスターリンク機材といった災害救助製品への輸入関税を免除する措置も講じた。

4日時点でメリッサによる確認された死者は75人。このうちハイチが43人、ジャマイカは32人となっている。

ロイター
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