ニュース速報
ワールド

ノルウェー議会、政府系ファンドの投資倫理指針見直しを承認

2025年11月05日(水)13時33分

ノルウェーのストルテンベルグ財務相や政府系ファンドの幹部ら。8月13日、アーレンダールで撮影。REUTERS/ Gwladys Fouche

Gwladys Fouche

[オスロ 4日 ロイター] - ノルウェー議会は4日、世界最大の2兆1000億ドル規模の運用資金を抱える同国の政府系ファンド(SWF)のノルウェー政府年金基金の投資に関する倫理指針を見直し、その間はファンドに投資撤退を一時差し止める案を承認した。

この案は少数与党の労働党政府が4日午前に提案した。ノルウェー政府年金基金は米建設機械メーカーのキャタピラーへの投資を取りやめるとし、その理由としてイスラエル当局がパレスチナ自治区ガザおよび占領下のヨルダン川西岸地区でキャタピラー製品を使っていることを挙げた。この判断について米国務省は9月、「非常に懸念している」と表明していた。

ノルウェーのストルテンベルグ財務相は4日午前に議会で「倫理指針が最初に採用されて以来、世界は変化した」とし、「規則を見直す必要がある」と呼びかけた。

議会が定めた基金の倫理指針は2004年に最初に導入され、戦争や紛争状況で個人の権利を著しく侵害している企業には投資できないと規定している。

独立した倫理機関が違反の申し立てを調査し、投資撤退を勧告する仕組みで、撤退するかどうかは最終的には中央銀行の理事会で決める。

ストルテンベルグ氏は議会で、倫理指針の見直し期間中の約1年間は投資撤退の勧告を保留にすると説明した。

野党の保守党も賛成した。しかし、通常なら議会で可決するまでに数カ月、場合によっては数年かかるにもかかわらず、今回の案がなぜ性急に提案されたのかが依然疑問だとした。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

訂正マネタリーベース、国債買入減額で18年ぶり減少

ビジネス

USスチールの収益体質は脆弱、「成長戦略」縮小はな

ワールド

インドネシア、第3四半期GDPは前年比+5.04%

ビジネス

グーグルとエピックが和解、基本ソフトとアプリストア
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中