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英予算、大幅増税回避なら「トラス・ショック」再来も=英シンクタンク

2025年11月05日(水)13時25分

シンクタンクの英国立経済社会研究所(NIESR)は5日、リーブス英財務相が26日に発表する予算に大幅な増税を盛り込まなければ、トラス元財務相のように市場の信認を失う恐れがあると警鐘を鳴らした。資料写真、ロンドン市内、9月撮影(2025年 ロイター/Corey Rudy)

David Milliken

[ロンドン 5日 ロイター] - シンクタンクの英国立経済社会研究所(NIESR)は5日、リーブス英財務相が26日に発表する予算に大幅な増税を盛り込まなければ、トラス元財務相のように市場の信認を失う恐れがあると警鐘を鳴らした。

NIESRは、今回予算では経済的ショックに備えるため、前回予算の100億ポンドより多い300億ポンド(400億ドル)の「のりしろ」を持たせるべきだと指摘。政府の予算責任局(OBR)が税収見通しを200億―300億ポンド下方修正する可能性を踏まえれば、併せて500億ポンド分の収支均衡が必要だとした。

リーブス氏は6月に長期的な支出計画を示しているため、500億ポンドの大半は増税で手当てする必要がある。NIESRのデービッド・アイクマン所長は、トラス氏が2022年、財源手当てのない減税案を発表して債券市場が暴落した「トラス・ショック」を引き合いに、金融市場が「予算にひどい反応を起こすリスク」があると指摘した。

英メディアと金融市場では、リーブス氏が選挙公約を破って所得税を引き上げる準備を進めている、との観測が広がっている。500億ポンド規模の増税には所得税を5%ポイント引き上げる必要がある。大半の英労働者の所得税は1970年代から引き上げられていない。

ロイター
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