NASAの「静かな超音速機」が初の飛行試験 、民間運航開始に道
米航空宇宙局(NASA)の静かな超音速ジェット機「X―59」は28日、カリフォルニア州南部の砂漠上空で初めて飛行試験を行った。より高速な民間航空機運航への道を開くことになる。写真は飛行試験の様子(2025年 ロイター/David Swanson)
[パームデール(米カリフォルニア州) 28日 ロイター] - 米航空宇宙局(NASA)の静かな超音速ジェット機「X―59」は28日、カリフォルニア州南部の砂漠上空で初めて飛行試験を行った。より高速な民間航空機運航への道を開くことになる。
米ロッキード・マーチンが製造した独特の形状を持つX-59は、航空機が音速の壁を破った際に通常発生する爆発のような音「ソニックブーム(衝撃波音)」を大幅に低減し、その音量を車のドアを閉める程度に抑えるよう設計されている。
民間機の超音速飛行を本格化させる上では、騒音のため人口密集地域への着陸が制限されていることが長年のネックになっていた。
ロッキード広報担当者はロイター宛ての電子メールで「X─59は今朝、最初の飛行に成功した」と述べ、これを「航空業界における重要な節目」と自賛した。
X─59は他に例のない実験用航空機で、高度5万5000フィート(1万6764メートル)で、巡航速度時速925マイル(同1490キロ)のマッハ1.4に達するよう作られている。これは従来の飛行機の飛行高度の2倍以上、速度の2倍近くに相当する。
ロッキードによると、X-59はこの試験飛行で、想定通り亜音速で飛行し、最高速度は時速230マイル(同370キロ)に達した。飛行中の最高高度は1万2000フィート(3660メートル)だった。





