原油の精製マージン、米の対ロ制裁で20カ月ぶり高水準
10月28日、 石油会社が原油から石油製品を精製する際の粗利益にあたる精製マージンが世界的に上昇し、20カ月ぶりの高水準となっている。写真は原油のイメージ。2024年1月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Jeslyn Lerh Mohi Narayan
[シンガポール/ニューデリー 28日 ロイター] - 石油会社が原油から石油製品を精製する際の粗利益にあたる精製マージンが世界的に上昇し、20カ月ぶりの高水準となっている。市場関係者によると、米国によるロシアの石油大手2社に対する制裁でロシア産供給減少の懸念が高まり、軽油が値上がりしたことが背景にある。
LSEGデータによると、アジア市場における石油製品の収益性となるシンガポールの精製マージンは、28日に1バレル=9ドル近くと2024年2月以来の水準に上昇。10月初めの同2ドル近辺を大幅に上回った。
精製マージン上昇の主な要因は軽油相場の上昇だ。軽油は堅調な需要と供給逼迫の予想からこの数週間に上昇。指標となる硫黄分10ppmの超低硫黄軽油の精製マージンが28日に1バレル=26ドルと1年半強ぶりの高水準を付け、欧米市場でも値上がりしている。
相場の上昇に拍車を掛けたのが、米国による対ロシア制裁の強化。米政府は先週、ロスネフチとルクオイルのロシア石油大手2社を新たに制裁対象に加えると発表した。
INGの商品ストラテジストはノートで「(米国による)最新の対ロシア制裁は軽油供給を脅かしている。ロシアは1日当たり約100万バレルの軽油を輸出しているためだ」と分析。またインドの精製業者がロシア産原油の購入を停止すれば稼働率が下がり、インドからの中間留分の輸出が減少する恐れもあると指摘した。





