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米政府、新大型原子炉建設に向け3社と800億ドル規模の協力協定

2025年10月29日(水)09時58分

 10月28日、米政府は、新たな大型原子炉建設に向けた民間3社との協力協定に調印した。写真は原子力発電所の冷却塔。2024年8月、米ジョージア州で撮影(2025年 ロイター/Megan Varner)

Timothy Gardner Katha Kalia

[28日 ロイター] - 米政府は28日、新たな大型原子炉建設に向けた民間3社との協力協定に調印した。

事業規模は少なくとも800億ドルに達し、米国の原子力エネルギープロジェクトとしては過去数十年で最大級。化石燃料と原子力を軸としてエネルギー生産の最大化を目指すトランプ大統領の方針が浮き彫りになっている。

米国内では、人工知能(AI)用データセンターの設置が増え、電力需要が急拡大しているという事情もある。

協定を結んだのはウェスチングハウス・エレクトリック、カメコ、ブルックフィールド・アセット・マネジメントで、米政府が資金を融通するとともに、ウェスチングハウスの加圧水型原子炉「AP1000」を利用する原発が認可を取得できるよう手助けする。

その見返りに米政府は、ウェスチングハウスが175億ドルを超える現金配当を行った場合に、その配当の20%を受け取る権益を付与される。米政府はこの利益を最大20%の株式持ち分に変えることが可能で、ウェスチングハウスの価値が300億ドルを超えた場合、2029年までに新規株式公開(IPO)を要求することができる。

各社はこの権益がいつ確定するかには言及しなかったが、米政府は今後最終的な投資の決定を下し、原発の完成を目指す取り決めに参加する必要があると付け加えた。

トランプ米大統領は訪問先の東京で、ウェスチングハウスのAP1000や小型モジュール炉の建設など米国のインフラ支援に日本が最大3320億ドルを提供すると述べた。

日米両国が28日公表した貿易協定に関するファクトシートによると、ウェスチングハウスの最大1000億ドル規模の原子炉建設に三菱重工業や東芝、IHIなどが関与を検討している。

ロイター
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