トランプ米大統領、きょう午後に日本へ 対米投融資や防衛費など議題に
アジアを歴訪中のトランプ米大統領が10月27日午後、日本に到着する。高市早苗首相と会談し、両国が合意した対米投融資の履行を確認するほか、先端技術や造船分野の協力などを申し合わせる。26日、クアラルンプールで代表撮影(2025年 ロイター/Vincent Thian)
Yoshifumi Takemoto Tamiyuki Kihara
[東京 27日 ロイター] - アジアを歴訪中のトランプ米大統領が27日午後、日本に到着する。高市早苗首相と会談し、両国が合意した対米投融資の履行を確認するほか、先端技術や造船分野の協力などを申し合わせる。日本は大豆やフォード車といった米産品の購入や防衛費の増額方針を伝える見通し。訪問先のマレーシアで26日夜、記者団の取材に応じた高市氏は「しっかりとこの大切な同盟国との関係を強化していきたい」と語った。
トランプ氏の訪日は6年ぶり。大統領2期目では初めてとなる。27日の到着後に天皇陛下と会見し、28日午前に高市首相と初めて対面で会談する。両首脳は25日に電話で会談し、ともに関係が深った故・安倍晋三元首相を話題にするなど、互いに好印象だったと明らかにしている。
迎える日本側の最大の目的は、5500億ドル(約83兆円)の対米投融資など石破茂前政権との間で合意した政策を引き継ぐ姿勢を明確にし、高市政権が早期に安定した関係を米国と築くこと。事情を知る関係者によると、日本は半導体や医薬品、重要鉱物、造船、エネルギーなど、日米が合意した9分野の投融資の具体的な案件候補を提示する方向で調整している。
別の関係者によると、両国は造船分野の投資を増強するため覚書を締結することを検討している。具体案を練る作業部会を設置し、日米両国の企業が連携して造船所に投資し、競争力・効率性を向上させることや、日米で建造する船の互換性を高めるため、設計や部品の仕様の共通化を議論する。
内閣府によると、両国は「日米間の技術繁栄ディールに関する協力覚書」にも署名する。
日本側は2027年度までに防衛費を国内総生産(GDP)比2%へ引き上げるとしていた目標を今年度に達成する見通しであることを米側に伝える。国家安全保障戦略など安全保障の関連3文書を前倒しで改訂する方針も表明する。同文書は27年度まで5年間の防衛費を約43兆円へ増やした根拠になっており、見直せばさらなる増額に道を開く。
このほか、日本は大豆やコメ、液化天然ガス(LNG)などの米産品を買うこと、米大手自動車フォード・モーターのピックアップトラック「F-150」を政府が調達する方針を伝える見通し。
トランプ氏は28日午後に神奈川県横須賀市の米海軍基地を訪れ、その後に日本企業の経営者らと懇談する。トヨタ自動車によると、同社は豊田章男会長が出席する方向で調整している。
29日に離日してアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が開かれる韓国へ向かい、レアアース(希土類)の輸出規制などをめぐって対立が深まる中国の習近平国家主席と会談する方向で調整している。26日に中国との準備協議を終えたベセント米財務長官はNBCのテレビ番組で、中国製品に対する100%の追加関税は回避され、中国のレアアース輸出規制は延期されることになるとの見通しを示した。





