ペルー、首都リマに30日間の非常事態宣言 犯罪増加に対処

ペルーのヘリ大統領は21日、犯罪の増加に対処するため、首都リマと近隣のカヤオに30日間の非常事態を宣言した。写真は10日、ヘリ大統領の就任式典で撮影(2025年 ロイター/Angela Ponce)
[リマ 21日 ロイター] - ペルーのヘリ大統領は21日、犯罪の増加に対処するため、首都リマと近隣のカヤオに30日間の非常事態を宣言した。
ペルーでは先週、就任したばかりのヘリ大統領に対する大規模な抗議デモが行われ、デモ参加者1人が死亡、多数が負傷した。
非常事態宣言は閣僚会議で承認され、午前0時過ぎに発効。ヘリ氏はこの措置について、治安維持のために警察に加え軍の展開を認めるものだと述べた。詳細は明らかにしなかった。
テレビ演説で、「われわれは犯罪との戦いにおいて防衛から攻撃へと移行している。この戦いによって平和と平穏、そして何百万ものペルー国民の信頼を取り戻すことができるだろう」と述べた。
ヘリ氏は今月上旬、ペルー議会がボルアルテ大統領の罷免を可決したことを受けて大統領に就任。先週、新内閣を発表し、犯罪撲滅を最優先課題にすると表明した。
ペルーが治安上の懸念に対処するため非常事態宣言を発令したのは今回が初めてではない。ボルアルテ前大統領も3月に30日間の非常事態を宣言したが、アナリストや治安専門家は、度重なる非常事態宣言に犯罪を減らす効果はほとんどないと指摘する。