ニュース速報
ワールド

トランプ氏のアルゼンチン産牛肉輸入拡大案、米畜産農家が反発

2025年10月21日(火)09時43分

 10月20日、トランプ米大統領がアルゼンチン産牛肉の輸入拡大を示唆したことに対し、米国の畜産農家から批判の声が上がっている。米ネブラスカ州モースブラフで2019年3月撮影(2025年 ロイター/Humeyra Pamuk)

Leah Douglas Tom Polansek

[ワシントン/シカゴ 20日 ロイター] - トランプ米大統領がアルゼンチン産牛肉の輸入拡大を示唆したことに対し、米国の畜産農家から批判の声が上がっている。

トランプ氏は19日、記録的な高値となっている国内牛肉価格を下げるため、アルゼンチン産牛肉の輸入拡大を検討していると述べた。トランプ政権は通貨スワップなどを通じアルゼンチンへの支援を強化している。

これに対し、畜産業界は「生活を脅かす」と反発。全米牛肉生産者協会(NCBA)のコリン・ウッドオール代表は「国内の牛肉生産者にとって重要な時期に混乱を招くだけで、店頭価格の引き下げには寄与しない」と批判した。

米中貿易摩擦の中、中国は米国産大豆の輸入を停止し、アルゼンチン産の輸入を継続しているが、トランプ政権は先月、アルゼンチンへの金融支援を協議。国内農家から批判の声が上がっていた。

トランプ氏は19日夜、大統領専用機「エアフォースワン」内で「大量ではないが、多少のアルゼンチン産牛肉を輸入すれば、アルゼンチンを助けることになる。アルゼンチンは非常に良い国で、非常に良い同盟国だと考えている」と述べた。

昨年の米国の牛肉輸入に占めるアルゼンチン産の比率は約2%。エコノミストは、アルゼンチン産の輸入を拡大しても、国内の牛肉価格を下げる効果は薄いと指摘している。

米西部で数年にわたる干ばつで牧草地が枯渇し、飼料価格が上昇したことを背景に牧場主が牛の飼育頭数を大幅に削減。これが引き金となり、牛肉価格の高騰を招いた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:高市政権、日銀との「距離感」に変化も 政

ワールド

世界安全保障は戦後最も脆弱、戦わず新秩序に適応をと

ビジネス

西欧の航空会社、中国他社より不利=エールフランスC

ビジネス

午前の日経平均は続伸し最高値、高市首相誕生への期待
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 7
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 10
    若者は「プーチンの死」を願う?...「白鳥よ踊れ」ロ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中