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台湾、「侵攻の法的根拠作り」と中国批判 71年国連決議巡り

2025年10月02日(木)12時14分

 10月1日、台湾政府は、中国が国連決議を誤って解釈し、台湾の領有権を巡る将来の攻撃の法的根拠を作ろうとしていると批判した。写真は2022年1月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Ben Blanchard Ryan Woo

[台北/北京 1日 ロイター] - 台湾政府は1日、中国が国連決議を誤って解釈し、台湾の領有権を巡る将来の攻撃の法的根拠を作ろうとしていると批判した。

1971年の国連総会決議2758号は、国連の代表権を中国が獲得し、台湾の代表権剥奪を決定したもの。中国は、この決議が「一つの中国」原則を国際的に裏付けるものだと主張し、台湾に対する領有権を正当化している。中国外務省は30日、改めてこれを強調した。

これに対し台湾側は、決議は台湾について一切触れておらず、そもそも中国が台湾を統治したことは一度もないことから、中国の主張はナンセンスだと反論。中国が国連決議の解釈をゆがめ、「台湾海峡の現状変更と将来的な武力行使の法的根拠を築こうとしている」と警鐘を鳴らした。

中国外務省はロイターの取材に、台湾海峡両岸が「一つの中国」の一部で、いずれ統一される事実は不変だと述べた。また、決議への異議は、中国の主権と領土保全、国連の権威への挑戦だと主張。米国と一部同盟国の発言にも不満を表明した。

米国務省は、中国の主張は国際社会から台湾を孤立させようとする強圧的な試みの一環だと指摘。同決議はいかなる国にも台湾との関与を制限しないとの見解を示した。

ロイター
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