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米の対中関税率55%は「適切な現状」=USTR代表

2025年10月01日(水)07時21分

 9月30日、米通商代表部(USTR)のグリア代表(写真)は、中国との間で双方の一部関税を11月10日まで停止する合意の下で米国が中国に適用している55%の税率について「適切な現状だ」と語った。写真は9月、クアラルンプールで撮影(2025年 ロイター/Hasnoor Hussain)

[ワシントン 30日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)のグリア代表は30日、中国との間で双方の一部関税を11月10日まで停止する合意の下で米国が中国に適用している55%の税率について「適切な現状だ」と語った。

グリア氏は「もしトランプ大統領に『われわれは中国と取引しているのか』と尋ねれば、大統領は『もちろん、これがその取引だ。55%の関税を課したということだ』と言うだろう。だからこれは適切な現状だ」と説明。当面は米国側が55%、中国側が10%超の関税を課す状況になると付け加えた。

米中は11月10日の関税停止期限を延長できない場合、米国は145%、中国は125%の関税を互いに再び発動し、両国の貿易は実質的ストップすることになる。

こうした中でグリア氏は、米国の農産物や中国の消費財といった「機微にかかわらない製品」の分野で両国が貿易を拡大し、より均衡の取れた通商関係を実現するため、中国側と定期的な話し合いを続けたいとの考えを示した。

グリア氏は「われわれとしては少しばかり自由度や透明性が高まる形で貿易ができる状態にしたい」と明かした。

またグリア氏は、中国側の交渉姿勢に言及し、レアアース(希土類)やレアアース磁石の世界的な供給で影響力を保有していることから交渉担当者らが「以前より自信を持ち」、より多くの要求をするようになったと指摘した。

さらに中国が近年展開する攻撃的な「戦狼外交」が米中の経済関係にも波及し、かつて技術的内容が中心だった協議に「政治的な色」が加わったと分析した。

それでもグリア氏は「われわれは中国側と頻繁に会談している」と強調した上で、双方が相手に多大な敬意を持ち、対話を重ねていることが政策的なサプライズの発生を避けるのに役立っていると述べた。

ロイター
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