ネパール抗議デモ、観光シーズン最盛期直撃 予約取り消し3割に

ネパールで数十年ぶりの死者数となった反政府デモは、発生時期が観光シーズンのピークと重なり、観光客を迎える準備を進めていた企業に大打撃を与えた。写真は１３日、国会議事堂を警護する警察（２０２５年　ロイター／Navesh Chitrakar）

Aftab Ahmed　Sunil Kataria

[カトマンズ １５日 ロイター] - ネパールで数十年ぶりの死者数となった反政府デモは、発生時期が観光シーズンのピークと重なり、世界最高峰エベレストのベースキャンプを含む世界的に有名なトレッキングコース目当ての観光客を迎える準備を進めていた企業に大打撃を与えた。

カトマンズのタメルなどの観光地では、商店、パブ、レストランが営業を再開したが、ほとんどが閑散としている。抗議活動では７２人が死亡、２０００人以上が負傷し、オリ前首相が辞任に追い込まれた。

観光当局、ホテル経営者、トレッキングツアー主催者は、観光客が昨年の同時期から３０％減少し、予約のキャンセルにつながっていると述べた。

トレッキングツアーの手配を手がける日本食店経営者は「９月に団体キャンセルが相次いだ」と述べ、予約取り消しは３５％に上ったと明かした。また、あるホテル経営者は、今後１カ月の予約は全てキャンセルされたと述べた。

９日には国会議事堂とヒルトンホテルが炎上する衝撃的な映像が流れたことを受け、多くの国がネパールへの不要不急の渡航を控えるよう勧告した。

ネパールは年間１２０万人の観光客が訪れ、観光部門は国内総生産（ＧＤＰ）の約８％を占める。９─１２月は観光のピークシーズンとされている。