米軍、ベネズエラからの麻薬密売船攻撃 3人殺害＝トランプ大統領

トランプ米大統領は１５日、米国に向かっていたベネズエラの麻薬カルテルの船舶を米軍が国際水域上で攻撃し、３人を殺害したと明らかにした。米ホワイトハウスで１４日撮影（２０２５年　ロイター/Aaron Schwartz）

Idrees Ali

［ワシントン　１５日　ロイター］ - トランプ米大統領は１５日、米国に向かっていたベネズエラの麻薬カルテルの船舶を米軍が国際水域上で攻撃し、３人を殺害したと明らかにした。麻薬カルテルの船舶に対する攻撃はここ数週間で２回目。

トランプ氏は自身の交流サイト（ＳＮＳ）「トゥルース・ソーシャル」で、「米軍が今朝、私の命令を受けて２回目の攻撃を実施した」と投稿。「極めて暴力的なこれら麻薬密売カルテルは、米国の国家安全保障、外交政策、重要な米国の利益に対する脅威だ」と述べた。

ただトランプ氏は、船が麻薬を運搬していたという主張を裏付ける証拠を示さなかった。

この投稿には、上部に「非機密扱い」と記された約３０秒の動画も含まれており、水域の船舶が爆発し、炎上しているように見える。

トランプ氏は同日夜、「証拠はある。海中に散らばった貨物を見れば分かる。コカインとフェンタニルの大きな袋だ」と述べた。

ロイターは人工知能（ＡＩ）検出ツールで映像の初期チェックを行ったが、映像は部分的に不鮮明で、映像が操作されたかどうかを確認することはできなかった。

徹底的な検証は現在進行中で、ロイターは今後も新たな情報が入り次第、映像の検証を続ける。

ベネズエラ当局はコメントに応じていない。

今回の攻撃は南カリブ海で米軍が大規模な軍備増強を行っている中で実施された。１３日にはトランプ政権がＦ３５戦闘機１０機の増派を命じたことを受け、５機がプエルトリコに着陸するのが確認された。

また、この地域には少なくとも７隻の米軍艦と１隻の原子力潜水艦が配備されている。

＜作戦は継続か＞

トランプ氏は１５日、記者団に対し、麻薬密輸の容疑者に対する作戦が陸上で実行される可能性を示唆した。

「陸路で来る時は、船を止めたのと同じ方法で阻止するつもりだ」とした上で、「だが、少し話し合えば、そんなことは起こらないかもしれない」と述べた。

ヘグゼス米国防長官は同日、Ｘへの投稿で、麻薬密売に対する米軍のより広範な任務を示唆。「われわれは選んだ時間と場所で、われわれの半球全域で彼らを追跡し、殺害し、彼らのネットワークを解体する」と語った。

トランプ氏の投稿の数時間前、ベネズエラのマドゥロ大統領は、両国の間で最近起きたことは米国による「侵略」だと指摘、両政府間のコミュニケーションはほぼ途絶えたと述べた。

トランプ政権は、９月２日の最初の攻撃について、米議員らが正当性を示すよう要求しているにもかかわらず、ほとんど情報を提供していない。