支援活動従事者の殺害が過去最多、ガザ戦争受け=国連

国連が19日発表したデータやそのほかのデータベースによると、世界中の人道支援活動従事者の殺害件数が昨年、約3割増加し383人に達した。写真は10日、パレスチナ自治区ガザで支援物資を求める住民ら(2025年 ロイター/Dawoud Abu Alkas)
[ジュネーブ 19日 ロイター] - 国連が19日発表したデータやそのほかのデータベースによると、世界中の人道支援活動従事者の殺害件数が昨年、約3割増加し383人に達した。1997年に記録開始して以来最も多い年となった。
国連によると、2024年は殺害された支援活動従事者のうち約半数がガザおよび占領下のパレスチナ地域で犠牲になった。
国連人道問題担当事務次長のトム・フレッチャー氏は声明で「このような規模の攻撃が何の責任も問われずに続いており、国際社会の無策と無関心を恥ずべき形で示している」と述べた。
米国が資金提供する「支援活動従事者安全データベース」によると、25年はこれまでに265人の支援活動従事者が殺害されており、うち173人がガザで犠牲となった。スーダンで36人、ウクライナで3人が殺害された。
ガザでは3月、15人の緊急支援・人道支援従事者がイスラエル軍の攻撃で殺害された。イスラエル軍は4月、この問題について「作戦上の誤解」と「命令違反」が原因だったと説明し「いくつかの職務上の失敗」があり指揮官を解任すると発表した。
支援活動従事者は国際人道法によって保護されているが、専門家によればこのような問題が裁判になる前例はほとんどないという。