中国、輸入牛肉の調査期間を3カ月延長 世界の供給業者に猶予

8月6日、中国商務省は牛肉輸入に関する調査期間を3カ月間延長したと発表した。写真は北京のスーパーに並ぶ米国産牛肉。4月撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)
Ella Cao Lewis Jackson Tom Polansek
[北京/シカゴ 6日 ロイター] - 中国商務省は6日、牛肉輸入に関する調査期間を3カ月間延長したと発表した。国内の牛肉産業が供給過剰の削減に苦戦する中、貿易制限の可能性を懸念する世界の供給業者にとって一時的な安心材料となる。
調査は需要鈍化で中国の輸入・消費市場が圧迫される中、昨年12月に開始されたが、特定の国を対象としたものではない。
中国はすでに米国からの輸入を制限しており、輸入削減に向けた貿易措置はアルゼンチン、オーストラリア、ブラジルなどの主要供給国に打撃を与える可能性がある。
商務省は「膨大な調査作業とケースの複雑さ」を理由に11月26日まで調査期間を延長すると説明した。また、全ての関係者と連絡を取り合うことで、「健全で安定した」世界貿易環境を確保すると表明した。
トリビウム・チャイナの農業アナリスト、イーブン・ロジャーズ・ペイ氏は「牛肉輸出業者にとっては間違いなく安心材料だ」と指摘。「中国はこの延長により、数カ月の猶予を得て、国内産業がセーフガードなしで収益性を回復できるかどうかを見極めることになり、主要牛肉輸出国との他の問題でも進展が期待できる」と述べた。
米国の食肉輸出業界団体によると、中国は3月に期限切れとなった米国の牛肉加工施設数百カ所からの出荷を許可する登録を更新しないことで米国産食肉の輸入を制限している。