韓国機事故、鳥衝突後も飛行可能だった可能性 調査当局が報告書

昨年12月に韓国の格安航空会社(LCC)チェジュ航空の旅客機が同国南西部全羅南道の務安国際空港で着陸に失敗した事故について韓国航空事故調査委員会(ARAIB)が、事故機はパイロットがエンジン2基のうち1基の稼働を停止した後も他の1基が一定の出力を保っており、飛行を継続できた可能性があるとの報告をまとめたことが分かった。写真は2024年12月、務安で撮影(2025年 ロイター/Kim Hong-Ji)
Lisa Barrington Heekyong Yang Dan Catchpole
[ソウル 27日 ロイター] - 昨年12月に韓国の格安航空会社(LCC)チェジュ航空の旅客機が同国南西部全羅南道の務安国際空港で着陸に失敗した事故について韓国航空事故調査委員会(ARAIB)が、事故機はパイロットがエンジン2基のうち1基の稼働を停止した後も他の1基が一定の出力を保っており、飛行を継続できた可能性があるとの報告をまとめたことが分かった。
最新版となる19日付の報告書の内容をロイターが確認した。最終版は来年6月に発表される予定。
事故を起こしたチェジュ航空のボーイング737─800型機は2基のエンジンが両方とも鳥と衝突する「バードストライク」によって損傷。胴体着陸後に滑走路外のコンクリート製の構造物に激突して炎上し、179人が死亡した。
報告書によると、事故機の左エンジンは損傷が小さかったが、バードストライクから19秒後に稼働が停止された。また右エンジンはバードストライクで正常に機能しなくなり、発火して黒煙を噴出したが、「飛行に十分な出力を出していたことが確認された」という。
報告書は、稼働していたエンジンが損傷後にどの程度の性能を維持していたかや、緊急事態に直面した乗員にどのような対応が可能だったのかについては言及していない。
乗員がこうした対応を取った理由は不明で、今後も調査が続く見通し。ただ、パイロットが損傷の小さいエンジンの稼働を止めた可能性に注目が集まっている。
1989年にはボーイング社製の旅客機が英国で、パイロットが誤って損傷を受けていないweンジンを停止させて墜落する事故が起きている。