中国、ブラジル産鶏肉の輸入全面禁止 鳥インフル発生に対応

中国政府は、ブラジルでの鳥インフルエンザの発生を受けて、ブラジルからの鶏肉と関連品の輸入を全面的に禁止した。写真は16日、ブラジル・モンテネグロの養鶏場で撮影(2025年 ロイター/Diego Vara)
[北京 30日 ロイター] - 中国政府は、ブラジルでの鳥インフルエンザの発生を受けて、ブラジルからの鶏肉と関連品の輸入を全面的に禁止した。ブラジルは世界最大の家きん輸出国で、中国にとって最大の鶏肉供給国。ブラジル政府は中国に対し、発生した地域に限定した輸入禁止措置を要請していた。
中国税関総署は、ブラジル産鶏肉の全ての輸入を禁止し、持ち込みや輸送された場合には、返還または廃棄するとウェブサイト上に29日付で通知した。ブラジルから入港する船舶の動植物の廃棄物は全て税関の監督下で処理し、許可を得ずに廃棄することを禁じるとも通知した。
ブラジル鶏肉輸出の主要な輸出先は中国の他、日本、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)など。南部リオグランデドスル州モンテネグロの養鶏場で16日、鳥インフルエンザの発生が確認され、中国は2週間前にブラジルの養鶏場からの輸入申請を一時停止した。日本やサウジなど3カ国は鳥インフルエンザの発生地域の鶏肉などの輸入を禁止。一方、欧州連合(EU)と韓国は、輸入を全面的に禁止している。
ブラジルは24年に約100億ドルの鶏肉を輸出し、世界の鶏肉取引の約35%を占める。全面的な輸入禁止はブラジルの養鶏農家だけでなく、主要輸入国にとっても痛手となる。