ザポリージャ原発再稼働の兆候ない=IAEA高官

5月29日、国際原子力機関(IAEA)高官の1人は、ロシアが占拠しているウクライナ南部のザポリージャ原発が再稼働の準備に入った兆候は見られないと明らかにした。ザポリージャ原発、2023年撮影(2025年 ロイター/Alina Smutko)
[ウィーン 29日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)高官の1人は29日、ロシアが占拠しているウクライナ南部のザポリージャ原発が再稼働の準備に入った兆候は見られないと明らかにした。
匿名で取材に応じ「現時点でわれわれは、再稼働に向けて動き出している形跡が何ら見られないことを引き続き確認している」と言明した。
同高官は核燃料冷却水の最大供給源であるカホフカ貯水池がダム決壊の影響で干上がったことに言及。「主要取水源を失っており、設備全体で本来の設計通りの機能が不可能になっている」と話した。さらに「(稼働中の)水の消費量は冷温停止時よりも非常に多い。簡単な応急対応策は見当たらない」と付け加えた。
同原発はロシアが占拠しており、原子炉6基全てが停止中。ウクライナはロシアが送電線を敷設し、同原発と自国送電網とつなごうとしているとIAEAに抗議していた。