独、ウクライナに50億ユーロ追加支援 長距離ミサイルを共同生産

ドイツ国防省は28日、ウクライナに対し約50億ユーロ(56億5000万ドル)の追加軍事支援を行うと発表した。写真は10日撮影のメルツ独首相(2025年 ロイター/Ludovic Marin)
Sarah Marsh Yuliia Dysa
[ベルリン/キーウ 28日 ロイター] - ドイツ国防省は28日、ウクライナに対し約50億ユーロ(56億5000万ドル)の追加軍事支援を行うと発表した。
国防省は、ロシアによるウクライナに対する空爆で多くの民間人が死亡、負傷し、民間インフラが大規模に破壊されていると指摘。追加軍事支援は連邦議会下院ですでに承認されている資金から拠出されるとした。
この日はウクライナのゼレンスキー大統領がベルリンを訪問している。
メルツ独首相は、両国が長距離ミサイルの工業生産に向けた共同開発を行う方針も表明。ロシアへの圧力を強め続ける意思を示した。
メルツ氏はゼレンスキー氏との共同記者会見で「われわれは長距離兵器の保有および共同生産を可能にしたい。詳細については公表しないが、協力を強化していく」と述べた。
ゼレンスキー氏は、両首脳がウクライナにおける、無人機(ドローン)など兵器の生産で協力することでも合意したと述べた。政府関係者によると、生産施設の建設と開発に関する協定に署名した。
<ロシアへの圧力>
ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)加盟を巡りゼレンスキー氏は、次回のNATO首脳会議に同国が招待されなければNATOに対するロシアの勝利を意味すると指摘した。ゼレンスキー氏によると、NATOのルッテ事務総長がウクライナの首脳会議出席を望んでいるほか、一部のパートナー国もウクライナの出席を支持している。しかし、招待されるかどうかは依然として不明。
ロシアのプーチン大統領は、対ウクライナ停戦条件の一つとして、NATOの東方拡大停止を要求している。これはウクライナ、グルジア、モルドバ、その他旧ソ連諸国の加盟を正式に拒否することを意味する。