ロシアとウクライナの直接交渉終了、3年ぶり 溝埋まらず

ロシアとウクライナは16日、トルコのイスタンブールで和平に向けた直接交渉を開始した。トルコ外務省提供(2025年 ロイター)
By Tom Balmforth, Can Sezer, Humeyra Pamuk
[イスタンブール 16日 ロイター] - ロシアとウクライナの和平に向けて16日にトルコのイスタンブールで行われた両国の直接交渉は約2時間で終了した。ロシアの侵攻開始直後の2022年3月以来、3年ぶりの直接協議で、開催地のトルコも同席したが、両国間の溝が縮った兆しは今のところ見られない。ウクライナ側は、ロシアの要求は「実現不可能」と述べた。
冒頭、トルコのフィダン外相は早期の停戦達成の重要性を強調し、和平か破壊かどちらを選ぶか、などとウクライナ、ロシア双方に呼びかけた。
ウクライナ筋によると、協議でロシアとの相違はすぐに明らかになったという。ロシアの要求には「実現不可能な条件や非建設的な条件」が含まれていたとし、「現実から乖離(かいり)し、これまで話し合われたことの範囲をはるかに超えていた」とロイターに語った。
ロシア側のコメントは得られていない。
<早期停戦が前提>
トルコのフィダン外相は協議の冒頭、「今、二つの道がある。一つは和平。もう一つは破壊とさらなる死者を出す道だ。どちらを選ぶかは双方の意思で決まる」と述べた。ウクライナのゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領の参加が実現しなかったことを念頭に、今回の協議を両国首脳会談の基盤とすべきと指摘した。
直接交渉に先立ち、ウクライナ代表団は米国、トルコと協議した。イエルマーク大統領府長官は、シビハ外相、ウメロフ国防相とともに、ケロッグ米ウクライナ担当特使や、仏英独各国首脳側近と協議したと交流サイト(SNS)に投稿した。
ゼレンスキー大統領は16日にアルバニアのティラナで開催された欧州政治共同体(EPC)首脳会合で、「最優先事項は、完全かつ無条件で誠実な停戦だ。殺害行為を止め、外交の確固たる基盤を築くためには、停戦は直ちに実現されなければならない」と述べた。
同会合に出席した欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、「(プーチン氏は)平和を望んでおらず、圧力を強める必要がある」と述べ、EUが新たな対ロシア制裁を準備していることを明らかにした。