北朝鮮が弾道ミサイル複数発射、輸出向けの性能試験か 韓国軍分析
[東京/ソウル 8日 ロイター] - 日韓の防衛当局は8日、北朝鮮が複数の弾道ミサイルを東岸沖へ発射したと発表した。韓国軍は、輸出に向けた多様なミサイルの性能試験だった可能性があるとみている。
韓国軍によると、北朝鮮は午前8時10分ごろに東部の元山からミサイルを発射。複数発射しており、最大で800キロ飛翔した。
日本の防衛省は、午前9時20分ごろに発射した1発が飛距離800キロ、最高高度100キロ程度と分析。日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定している。
中谷元防衛相は記者団に対し、「日本の領域や排他的経済水域への飛来は確認されていない」と説明。「北朝鮮に厳重に抗議し、強く非難した」と語り、米国、韓国と緊密に連携していくとした。
韓国外務省によると、日米韓の当局者は電話協議を実施し、ミサイル発射が国連の制裁に違反するものだと非難した。
北朝鮮は米韓が合同演習を実施した3月にも複数の弾道ミサイルを発射していた。
北朝鮮は短距離弾道ミサイルなどの武器をロシアへ輸出し、ロシアがウクライナとの戦争で使用していることが米国と同盟国の情報機関、独立系研究機関の分析で明らかになっている。
北朝鮮、ロシアとも武器の取引を否定している。一方、北朝鮮がロシアへ派遣した兵士が、ウクライナとの戦闘に従事していることが確認されている。
韓国統一研究院の北朝鮮アナリスト、ホン・ミン氏は、今回発射されたミサイルについて、ロシアに供給されてウクライナへの攻撃に使用された2種類の短距離弾道ミサイルだった可能性が高いと指摘。
「この2種類のミサイルについては相当量の実戦データが収集されており、戦場から報告された耐久性や精度などの問題を改善するために、追加の試験が必要だった可能性がある」と述べた。