ブラジル中銀が0.5%利上げ、19年ぶり水準の14.75% 見通し示さず

ブラジル中央銀行は5月7日の金融政策委員会(COPOM)で政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げ、14.75%とした。写真は中銀の建物。ブラジリアで2024年12月撮影(2025年 ロイター/Ueslei Marcelino)
Marcela Ayres
[ブラジリア 7日 ロイター] - ブラジル中央銀行は7日の金融政策委員会(COPOM)で政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げ、14.75%とした。決定は全会一致。利上げは6会合連続で、政策金利は2006年8月以来、約19年ぶりの高水準となった。また、世界的な不確実性と国内の根強いインフレを踏まえ、今後の政策措置についてはガイダンスを示さなかった。
ロイター調査ではエコノミスト35人中32人が今回の会合で50bpの利上げを予想していた。
中銀は声明で、インフレ率を目標に近づけるため「長期間にわたる大幅な金融引き締め政策」が必要だと強調し、「より引き締め的な」姿勢が必要だとする従来の表現を修正。
さらに「次回の会合では、不確実性の高まりというシナリオに加え、現在の金融政策サイクルが進んだ段階にあり、その累積的な影響がまだ見られていないことを踏まえ、金融政策措置にさらなる慎重さが必要となり、インフレ見通しに影響を与えるデータを柔軟に取り入れる必要がある」とした。
中銀は3月の前回会合で追加引き締めの必要性を示唆していたが、今回は過去3会合の100bp利上げより緩やかなペースとなった。
金利が急上昇している背景には、 前年比のインフレ率が5.49%と目標の3%を大きく上回っていることがあり、市場では28年まで目標を達成できないとの見方もある。政策金利は昨年9月以降、計425bp引き上げられているが、中銀は国内経済について「初期の成長鈍化」が見られるとしながらも、経済活動と労働市場の指標は依然として力強さを示していると強調した。
マクロ経済状況の変化を考慮し、今年のインフレ見通しは3月に示した5.1%から4.8%に引き下げた。
バンコインターのチーフエコノミスト、ラファエラ・ビトリア氏は「外部シナリオは従来予想よりも大きなデフレ見通しを示しており、早ければ6月にも引き締めの一時停止が支持される可能性がある」と述べた。