インドネシア、第1四半期成長率は約3年ぶり低水準 消費減速

インドネシア統計局が5日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年比4.87%増で昨年第4・四半期(5.02%増)から減速し、2021年第3・四半期以来、約3年ぶりの低い伸びとなった。ジャカルタで4月撮影(2025年 ロイター/Willy Kurniawan)
[ジャカルタ 5日 ロイター] - インドネシア統計局が5日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年比4.87%増で昨年第4・四半期(5.02%増)から減速し、2021年第3・四半期以来、約3年ぶりの低い伸びとなった。世界的な貿易摩擦や家計支出の減少が引き続き逆風となりそうだ。
季節調整前の前期比では0.98%減少。ロイターがまとめたアナリストは前年比4.91%増だった。
昨年就任したプラボウォ大統領は、5年の任期中にGDP成長率を8%に引き上げると表明しているが、貿易戦争に伴う世界経済の成長鈍化、内需の減速、財政逼迫といった課題に直面している。
メイバンク・インドネシアのエコノミスト、ミルダル・グナルト氏は、「米国と、インドネシアを含む貿易相手国との貿易戦争の緊張がもたらす悪影響など、さまざまな課題がすでに目前に迫っている」と述べ、世界市場の不確実性は、中央銀行の金融緩和余地を制限する可能性があると指摘した。
インドネシア中銀は昨年9月以降2回利下げを実施し、さらに利下げする余地があるとしているが、市場の安定を最優先にしている。
ダナモン銀行のエコノミスト、ホシアンナ・シトゥモラン氏は、家計支出の鈍化と貿易摩擦の影響から、今第2・四半期の成長率はさらに減速し4.79%になると予想。ただ年後半は貿易摩擦の緩和や政府支出拡大を見込み、通年予想は4.8%を維持している。
第1・四半期は、GDPの半分以上を占める個人消費が前年比4.89%増と、3月のラマダン(断食月)中に支出が増えたものの、前期から減速し過去5四半期で最も鈍い伸びとなった。
投資は2.12%増で2年ぶりの低成長。政府支出は縮小した。
鉱業部門は石炭価格下落の影響で約1%縮小した。
農業部門は、コメとトウモロコシの収穫が伸びたことから10.5%増加した。