ニュース速報
ワールド

世界の小麦生産、天候不順が打撃 価格上昇

2024年10月10日(木)16時44分

 10月10日、天候不順により世界の主要小麦輸出国の生産が減少し、9年ぶりの低水準に落ち込むと既に見込まれている在庫がさらに切り下がっている。写真は6月、仏トリゲールで撮影(2024年 ロイター/Benoit Tessier)

[シンガポール/米シカゴ 10日 ロイター] - 天候不順により世界の主要小麦輸出国の生産が減少し、9年ぶりの低水準に落ち込むと既に見込まれている在庫がさらに切り下がっている。需給逼迫懸念で価格は足元で上昇している。

南半球のアルゼンチンやオーストラリアといった主要輸出国は干ばつや霜害で減産となり、ロシアやウクライナ、米国といった主要産地は少雨で作付けに支障が生じている。ロシアがこのほど黒海で穀物輸送船を攻撃したことを受け、ウクライナ情勢を巡る供給不安が再燃している。

IKONコモディティーズの助言サービス責任者、オレ・ホウエ氏は「小麦市場は逼迫度合いが強まっており、さらに悪化するだろう」と予想した。

米農務省のデータによると、世界の2024─25年度の期末小麦在庫は2億5722万トンと、9年ぶりの低水準を付ける見込み。ロイター調査のアナリストは11日に在庫見通しが2億5614万トンにさらに引き下げられると予想した。

同年度の世界の小麦生産量は過去最高の7億9688万トンとなる見通しだ。

ロシアのルート農相は今週、同国の生産地は遅霜の発生に続き、4月以降は干ばつの被害を受けていると述べた。

東南アジアの現物市場で取引される黒海地域の小麦は1トン当たり約280ドルと、1カ月前の265ドルから上昇。

シカゴ先物市場の小麦は先週、4カ月ぶりの高値を付けた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

台湾閣僚、「中国は武力行使を準備」 陥落すればアジ

ワールド

米控訴裁、中南米4カ国からの移民の保護取り消しを支

ワールド

アングル:米保守派カーク氏殺害の疑い ユタ州在住の

ワールド

米トランプ政権、子ども死亡25例を「新型コロナワク
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 8
    村上春樹は「どの作品」から読むのが正解? 最初の1…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中