タイ新首相、国会で政策提案 デジタル通貨給付・カジノ合法化など
9月12日、タイのペートンタン新首相は、国内経済活性化に向けた総額4500億バーツ(約134億ドル)の「デジタルウォレット」計画を柱とする政策提案を国会で行った(2024年 ロイター/Athit Perawongmetha)
Chayut Setboonsarng Orathai Sriring
[バンコク 12日 ロイター] - タイのペートンタン新首相は12日、国内経済活性化に向けた総額4500億バーツ(約134億ドル)の「デジタルウォレット」計画を柱とする政策提案を国会で行った。おおむねセター前政権の政策を踏襲する内容で、債務再編のほか、投資と観光客を呼び込むためのカジノ合法化も含まれた。
首相は国会で、政府は経済構造問題などの課題に直面しており、早急に国内経済を回復させ、再び力強く成長させる必要があると強調。経済成長を支える財政・金融的措置がない場合、経済成長率は年率3%を超えない見通しだとし、2027年には公的債務残高が国内総生産(GDP)比70%という上限に近づくと予想した。公的債務の対GDP比は7月末時点で63.74%。
首相は、国民5000万人に1万バーツ(300ドル)を給付する「デジタルウォレット」計画について、一部を現金で給付すると先に表明していたが、国会説明では給付時期や方法に関する詳細には触れなかった。
政府は今週、この計画のうち1450億バーツ(42億ドル)を今月中に給付し、社会的弱者を支援すると発表していた。
この計画を巡っては、エコノミストや中央銀行総裁経験者は財政的に無責任と批判し、当局者は財政規律を守ると表明しているが、財源の確保に苦心している。